2012年12月31日月曜日

会場より速報

準備万端です。

2012年12月25日火曜日

4LSよりメリークリスマス


みなさん、メリークリスマス! 恒例のシークレットサンタは成功裏に終わりました。私たちと同じくらい、皆さんにも楽しんでいただけたでしょうか。諸事情によりイラストが一つ収録できなかったため、ボーナスとしてこちらでご覧いただけます。このかたわ少女のキャラ総出演の美麗なイラストは、他ならぬkamifishの作品です。

2012年12月13日木曜日

Four Leaf Studios シークレットサンタ 2012

今年は本家クリスマス企画が復活した模様です。クリスマスイブまで毎日1枚、開発陣らによるイラスト(文章も?)作品が公開されます。リンク先の更新をお楽しみに。

(以下原文)----



私たち4LSは変なところで結束の強い集団です。過去何年にもわたって長い時間を一緒に過ごしてきたことを考えれば、驚くことではないかも知れません。これまでにいろいろな習慣、伝統、内輪受けのジョークが積み重なっていきました。インターネットで知り合った友人たちの小集団のカルチャーです。その伝統の一つが、シークレットサンタと題したファンアートを掲示することでした。今年もこの企画を開催します。私が主催者に仕立て上げられたので、4LSや翻訳チームのメンバー、友人各位を招待し、クリスマスの精神を分かち合おうと呼びかけました

参加者は全員、かたわ少女のファンアートのお題を一つお願いすることができます。このリクエストは無作為に参加者に割り当てられます。明日(12/11)からクリスマスイブまで毎日、完成したイラストをシークレットサンタ2012のミニサイトで公開していきます。私たちのtwitterアカウントをフォローしている方には、更新が自動的にツイートされます。

これでみなさんのクリスマスがもう少しだけ素敵になることを願っています!

- Aura

2012年12月12日水曜日

twitterはじめました

翻訳チームの者です。

今般、時流に乗ってtwitterアカウントを取得してみました。

https://twitter.com/ksjpproject

基本的にブログの更新や告知のみに使用する予定です。

リプライ等にはあまりお答えできない可能性が高いですが、よろしければフォローしていただけると幸いです。

よろしくお願いします。

2012年12月2日日曜日

ご意見・ご指摘の宛先について

翻訳チームの者です。

コメントにてお問い合わせをいただきましたが、作品に対するご意見/誤字脱字等のご指摘/翻訳チームへのお問い合わせ等については、ksjpproject@gmail.com までお願いします。

体験版の誤字脱字等については完全版のリリースにあわせて再チェック・訂正を行う予定です。

よろしくお願いします。

冬コミ本の表紙

冬コミ出展の本が届きましたので、表紙のみですがプレビューをお送りします。

2冊並んでいますが、右がAnime Expoで発行されたオリジナル版、左が日本版となります。見分けがつきませんね。

どうぞ当日をお楽しみに。

2012年11月26日月曜日

翻訳の進捗

翻訳チームの者です。

現時点での進捗についてお知らせします。

下訳作業が現在も続いており、進捗率は83%となっています。
琳ルート完走、リリーのAct4完了により進捗率が大きく増加しました。

また華子・静音ルートは完了間近となっています。

笑美 Act2, 3作業中 Act4完了
華子 Act2, 4完了 Act3作業中
リリー Act2, Act4完了 Act3作業中
琳 全編完了
静音 Act2, Act3完了 Act4作業中

来年初頭に下訳を完了させたいと考えています。

冬コミ参加のお知らせ


翻訳チームのものです。

今冬のコミックマーケット83(東京ビッグサイト)にかたわ少女日本語訳プロジェクトとしてサークル参加いたします。スペース番号は3日目(12/31 月曜)の東2 T-08aです。



今年7月にロサンゼルスで開催されたAnime Expoで、開発者および有志による制作のイラスト本"Tomorrow/Today"が刊行されました。今回は開発側から許可をいただき、同誌を日本でも頒布いたします。
序文、後書きの日本語訳を行った以外は、内容はオリジナルと同一となっています。

内容はA4 32Pフルカラー、頒価は500円の予定です。

よろしければどうぞスペースまでお立ち寄りください。

Webカタログのリンクはこちらです。(ログインが必要です)

Twitcmapのリンクはこちらです。

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お知らせ)

後日、英語版の内容を公式サイトにて公開予定です。ご了承の上でお求めください。

2012年11月5日月曜日

Act1版サウンドトラック公開

4LSのツイッターアカウントによりますと、かたわ少女Act1で使用されていたサウンドトラックが公開されたとのことです。
https://twitter.com/fourleafstudios/status/264850615069450240

Soundcloudで完全版サントラともども公開されているので、どうぞお楽しみください。
http://soundcloud.com/fourleafstudios/sets/prototypes/

2012年10月8日月曜日

翻訳の進捗

翻訳チームの者です。

翻訳の進捗をお知らせします。

前回の更新から3ヶ月ほど経っていますが、現在も下訳作業が進行中です。
進捗状況はおよそ2/3(68%)というところです。

セクションごとの進捗は以下のとおりです。

笑美 Act2, 3作業中 Act4完了
華子 Act2, 3, 4作業中
リリー Act2完了 Act3, 4作業中
琳 Act2, Act3完了 Act4作業中
静音 Act2, Act3完了 Act4作業中

諸事情により着手順が前後していますが、華子/琳ルートは完了が
近い状態です。

下訳の完了後にレビュー/校正作業に入りますが、こちらも下訳と同じくらいの
作業量が必要になると見込んでいます。

更新状況は随時このブログでお知らせして行きますので、
よろしくお願いします。

2012年7月11日水曜日

翻訳の進捗など

翻訳チームの者です。

完全版のリリースから半年が経過しましたが、きりのいい時期ですので翻訳の進捗をお知らせします。

現在は下訳(ひとまずすべてのシナリオを日本語に訳す)の段階です。大変おおざっぱな計測ですが、ほぼ40%が翻訳完了しています。がんばってリリース1周年までには完了させたいところです。

実際には、その後に訳の訂正/編集、校正があるので、翻訳後直ちにリリースというわけにはいきませんが……引き続き楽しみにしていただければと思います。

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Anime Expoでの有志によるアーティストアレイ参加/イラスト本頒布は盛況に終わったとのことでした。今後も海外でのファン活動の盛り上がりに期待したいところです。

5月にトロント(カナダ)で開催されたAnime Northというコンベンションで、かたわ少女のパネルがあったそうです。その際の録画がyoutubeに上がっていたので、ご紹介します。現地のノリの熱さが感じられます。

http://www.youtube.com/watch?v=PqJYs9f6IFw

2012年6月1日金曜日

Anime Expo 2012にかたわ少女が出展します


Four Leaf Studiosとかたわ少女は、今年のAnime Expoに出展します。6/29から7/2まで、米国カリフォルニア州ロサンゼルスで開催されます。

パネルセッションはありませんが、アーティストアレイで開発者がいくつかブースを出しています。weee、gebyy、Suriko、Pimmyが直接参加していますので、新刊のかたわ少女アートブック "Tomorrow/Today" をお手にとって見てください。32ページ、フルカラーです。



私たちはA52とA53卓(合同スペース)にいます。

 - Suriko

2012年5月29日火曜日

ストーカーのための4LS案内


どうやらKSを作ったというだけで、私たちがおもしろい人間だと思っている人がずいぶんたくさんいるようだ。「もっと自分のことを教えてちょうだい」とか、自分たちのブログやらなにやらへのリンクを教えてというリクエストをいっぱい受けている。というわけで、4LSのwebページを一カ所にまとめることにした。大してたくさんあるわけじゃないし、見つけるのが難しいってわけでもない。(たとえば、4LSのtwitterは開発者全員のプライベートのidをフォローしている)でも見つけられない人は、私や他の開発者に聞きに来たりする。プライベートをのぞいて、私が覚えている限りのリンク先はここに全部リストアップした。たぶん今後も更新していくようにすると思うので、将来にわたって参考になるだろう。あとリストに載せて欲しいとか載せちゃダメとかいった連絡も私まで送るように。

- Aura

Four Leaf Studios
twitter: @fourleafstudios 
email: staff@katawa-shoujo.com 

Aura
twitter: @sharpened_C
blog


climatic
twitter: @climaticsays
twitter: @not_climatic

cpl_crud
blog

delta
twitter: @deltakurshiva

kamifish
deviantart

Mike Inel
deviantart
Facebook

moekki
deviantart 

NicolArmarfi
Youtube 

Pimmy
twitter: @curepimmy
deviantart 

Raide
twitter: @Fiohnel
Google+

weee
twitter: @_weee_
blog
deviantart
pixiv

残りの人については、KSフォーラムやIRCをのぞけば、私が知る限りweb上のページや連絡先を持っていない。

2012年5月10日木曜日

コミティア100参加レポート



先日コミティア100に参加してまいりました。ご来訪いただいた皆様にお礼申し上げます。

イベント自体は5000サークル以上の参加と言うことで、会場内は終始多数の来場者でいっぱいでした。非常に盛り上がったイベントだったように思います。屋台の焼きそばがおいしかったです。

既刊の「冬至-Midwinter」も多数の方に手に取っていただきました。ありがとうございます。

日本語訳の進捗について多数のご質問を受けましたが、まだはっきりした報告ができるほどめぼしい進捗がない、というのが正直なところです。
日常生活の合間をぬって翻訳作業を行っている状況ですので、気長にお待ちいただければと思います。

2012年5月5日土曜日

コミティア会場より速報

記念すべき100回目の開催となったコミティアよりお送りしています。
東6ホール、「たー16b」にて、ご来場お待ちしています。


2012年4月11日水曜日

TWINFINITE かたわ少女インタビュー記事

ゲームレビューサイトTWINFINITEに掲載された、かたわ少女開発者へのインタビュー記事を翻訳しました。
元記事のリンクはこちらです。

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2012/1/11 Four Leaf Studio インタビュー

様々な障がいを負ったヒロイン少女達との恋愛を目指すという興味深い前提を持つビジュアルノベルの為に、献身的な有志達のグループが5年の歳月を費やして懸命に作業を行ってきた。4Chan発祥のこのゲームは人々の興味を引き、またいくつもの疑問の声が生まれてきた。私自身もこのゲームに関しての質問をいくつか抱いていた。

体験版の発表から今まで見守り続けたこのゲームに改めて衝撃を受けた私は、この質問をぶつける為にコンタクトを取らずにはいられなかった。

開発陣のメンバーは彼らの仕事と進捗に関しての情報を快く公開してくれているので、もし読者諸氏もさらなる質問があったら、ぜひ彼らのフォーラムにある質問スレッドを確認してみるといいだろう。

Twinfinite「まずは自己紹介から始めて頂けますか? お名前とFour Leaf Studioでの立場をお願いします。」

Aura「私はAura、4LSではメインライターと琳ルートのシナリオライターをしていた者です」 「この製作プロジェクトはどのように始まったのですか?」 「2009年までの詳細な歴史ならばここで読む事が出来るよ。」

「それを読んでいると自然に『なぜ?』という疑問が思い浮かびます。アイディアの元となった絵ならば誰もが見る事が出来ますが、そこから実際にシナリオを書き、ゲームを製作していくという困難な作業を請け負おうとしたその原動力とは一体なんでしょうか?」

「そもそも、人々が何かをしようとする理由は何だと思う?(人々が何かをしようとするのに立派な理由なんて要るかい?)私たちは表現の形式としてのビジュアルノベルが好きだし、自らがそれに携わろうとする事は大きな魅力のひとつだね。それ以外には、何と言ったら良いか分からないんだ。私たちは想像力が豊かで、行動を起こして自ら試練に飛び込み、新たな事を学び成長していく事が好きなんだ。そしてこの製作プロジェクトはそんな私たちにとってとても良い機会だったよ」

「絵師、ライター、プログラマー達はどのように集められたのですか?」

「彼らはみなボランティアだった。まずこういった物を作るのに興味があり、適切な技能を持ち、長期に渡って活動が出来た人達が自らの判断でこの開発チームに参加したんだ。私には非常に進化論的な工程だったと思えるよ。後にメンバーの追加募集をかけたときは、ごく普通に申し込みを通して行ったけどね」

「チームの目標が決まった後、そこに至るまでの道筋というのはどのように決まりましたか? 作業分担、計画、ゲームのディレクションを世界中から集まった人々が行うことについて、聞かせていただけますか?」

「このプロジェクトの現状によって規定されて行った部分もあれば、日課作業を最も効率的に行おうとする私たちが自然に行き着いた部分もあるかな。グループ内では序列がほとんど無く、作業内容のほとんどがが各自ばらばらに分散されていて、共同で何度も見直しながら改善させていくと言った方法は、私たちが作業を行いながら確立していったけど、これは私たちにとってぴったりだったからこそ続けてこれたんだと思うよ。一方で、たとえばシナリオ全体を5人のメンバーに割り振って、それぞれが一人のヒロインを担当して、主にそのキャラのルートを執筆するという手法はプロジェクト開始当初から採用していたんだ。これは単に、そのほうがライターが集中しやすいだろうと考えたからだ。」

「こうした質問の多くは、貴方達のウェブサイト内にあるメンバー紹介ページなどで答えが示されていますが、このゲームが文字通りインターネット上に漂う無数の想像から生まれ出でたと言う事がまだイメージしづらいです。いくつもの視点からの数百の意見、数千のアイディア。強いて言えば、それを生み出した全ての人々がこのプロジェクトに献身した証と言えるでしょうか」

「インターネット上では、かたわ少女のようなプロジェクトやそのアイディアが、毎日何十も生み出されてくる。けれど、その中で日の目を見る事が出来るのはほんの一握りでしかない。私たちはその点幸運だったと言えるかもしれないが、その為に辛抱強く続けてきた結果でもあると思うよ」

「このような長期間に渡り開発を熱心に進めてきた中で、集中力を保ち続けると言うのはどのようなものでしたか? また、乗り越えてきた課題の中で最大のものは何だったでしょうか?」

「勿論、長い間集中力とやる気を高く保ち続けるのは大変だった。同様に、世界中に点在する20名前後の人達と連絡を充分に取り合い、彼らの都合に合わせて計画を進めていく事も非常に大変だった。過程の中でつまずく事なんて、それこそ無数にあったよ。だけど、私たちは決して諦めなかった」

「開発メンバー達のInfluence Chart(影響図)をすでに見ているので『ゲーム作成中にあなたに影響を与えたものは何ですか?』と聞くつもりはありませんが、その代わりに、それらの顕著な影響がどのようにゲーム内容に組み入れられたのかを伺いたいと思います」

「大体の場合が全体的に影響を及ぼしているか微細にしか及ぼしていないので、ライターと絵師のスタイルからそれらの影響を判別するの事は正直不可能に等しいと私は思うよ。ただ、例外と言ってもいいのは甘露樹氏の絵画だろう。それらは(勿論慎重に考慮された結果だが)かたわ少女の映像に強く影響を及ぼしている。また、ゲームの最初の部分はビジュアルノベルのナルキッソスの雰囲気を多少は反映してるかな」

「元々はおまけのページだったものからアイディアとゲームの初期設計が生み出されましたが、あなたや他のチームメンバーをこの開発に引き込んだ個人的な理由とは何だったと思いますか?」

「私にとっては、共同作業を行うという考えと、VNという媒体に関わることに対する魅力かな」

「障がいを持つ少女達との恋愛ゲームを作成するという事実が判明した時、チームのメンバーは何かしら過激な反発があるだろうと心配はしませんでしたか?」

「いいや、あまり心配は無かったよ。こういったネタがこの世で一番おかしいとは言いがたいしね・・・アニメや漫画などのサブカルチャーの中では特にだけれど。もちろんかたわ少女はその主題自体に関して否定的なコメントを受ける事もあるけど、そんな事は私たちは気にしていないよ」

「単なる絵でしかなかったキャラクターを肉付けし、障がい者のための学校という状況を描く・・・その様な事をライター達はどのように遂行していったのでしょうか?」

「それはもう、行動あるのみって奴だね。長時間の話し合い、アイディアの精錬、熟考、ブレインストーミング、調査、その他諸々。大抵の場合、ライター達は各自でアイディアをひねり出して作業を進め、その後他のメンバーに提示して相談し、それをボツにするか、さらに改善を重ねるかが決まるという流れだったよ」

「このプロジェクトを始めた時、あなたの目標は何でしたか? 『素晴らしいゲームを作り上げる事』と言う単純な答えになるかもしれませんが、ではその素晴らしいというのはどのようなものですか?」

「ただ、ゲームを作りたかったんだ。それ以上でもそれ以下でもないし、今までにそれ以外の理由があったことも無い。確かに、私たちは大志を抱いていたし、自分たち自身に高い目標を課していた。けれど、やはりゲームを完成させる事がこのプロジェクトの中で唯一にして無二の目標だった」

「こうしてゲームが完成し全てが終わった今、開発チームのメンバーはどのように感じていますか?」

「幸せさ、言うまでも無く。でも同時に少し物足りない気もしてる。以前と比べストレスを感じる事はほとんど無い。5年と言う歳月をかけた仕事が完成した事を考えると信じられない気持ちにもなるね。それに慣れるまで、しばらく時間が掛かるんじゃないかな」

「ファン達からの反応は好意的なものが圧倒的多数を占めていたようですが、あなた達はそういった祝福の声を受けてどのように感じていますか?」

「感じた全てを説明するには多すぎる反応だし、実際の所私たちはそれに圧倒されていたよ。でもまぁ、私たちの苦労の末に実った果実が多くの人に反響を呼んでいるのを見るととても嬉しく思う」

「私自身、全ての話を(個人的には静音と琳のルートを特に)楽しませてもらいましたが、開発チームのお気に入りキャラは誰でしょうか? ぜひお聞きしたいです」

「琳は開発チームでとっても人気があったかな。きっと彼女が私たちの中では一番だと思うよ」

2012年4月2日月曜日

【告知】コミティア100に参加します

翻訳チームのものです。

5/5開催のコミティア100に参加が決定しましたのでお知らせします。

スペース番号は「た16b」です。冬コミ刊の「冬至〜Midwinter」を持参する予定です。

夏コミには申し込んでいないため、これ以後はイベント参加の予定がありません。
まだお持ちでない方はぜひこの機会をご利用ください。

2012年4月1日日曜日

かたわ少女HD版 再リリース!


いやあ、時がたつのは早いものですね。もうKSのリリースから4ヶ月ですよ。つい先週だったような気分です。みなさんご存知のとおり、あの余波で私たちもずいぶん疲れてしまったので、ちょっと先に進んで行こうと思ったのです。

ところが私たちは引っかかってしまいました。信じられないくらいクールなファンのみなさん(そう、あなたです)からのご意見に耳を傾け、それを実現したいと思いました。なので、もっとも要望の多かったもの、そしてより重要なことですが実現可能なもののリストを精査し、2つのリクエストを実現しました。新たに改善されたかたわ少女をお楽しみください!

こちらからダウンロードできます。

再リリースなので、下記の点以外にゲーム内容の変更はありません。

高解像度化
正直に言いましょう。2012年に800x600という解像度ではお話になりません。というわけで、栄えある1080p解像度のKSをお楽しみください。

好ましくないコンテンツの除去
「不適切」と解釈されうる内容をすべて除去しました。それだけです。これで間違いなくみんな満足するでしょう。

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注:
起動直後に4LSのロゴ動画が流れず、画面がブラックアウトする場合があるようです。
その場合、以下の手順をお試しください。

1. アプリ起動後、Shift+Gを押し続ける。
2. ビデオアクセラレーションの選択ウィンドウが表示されるので、異なる設定(OpenGL2.0以上, DirectX, OpenGL1.x, ソフトウェア)を選択してQuitボタンを押す。
3. アプリを再起動する。

うまく行かない場合は各種設定を試してみてください。ソフトウェアであれば、ほぼ環境を選ばず動作すると思われます。

参考:http://www.renpy.org/doc/html/display_problems.html


2012年3月14日水曜日

冬コミのイラスト本PDFを公開しました



2011年冬コミにて刊行したイラスト同人誌「冬至 - Midwinter」のPDFファイルを公式ウェブサイト上にて公開しました。日本語版/英語版ともにダウンロードセクションからダウンロード可能です。

2012年2月15日水曜日

日刊サイゾーにインタビュー記事が掲載されました

日刊サイゾーにかたわ少女の紹介記事が掲載されましたので、お知らせします。
記者の方による概要紹介と、Suriko氏によるインタビュー回答になります。

インタビューではいろいろな裏話が言及されていますので、ご覧いただければと思います。
http://www.cyzo.com/2012/02/post_9880.html

2012年2月4日土曜日

アキバOSにインタビュー記事が掲載されました

ニュースサイト「アキバOS」にかたわ少女の紹介記事が公開されましたので、お知らせします。

開発チーム(Suriko氏)へのインタビューと、体験版(Act1)のレビューという内容となっています。
(本編のネタバレはありません。)

記事のURLはこちらです。ぜひご覧ください。
http://www.akibaos.com/?p=18203

2012年2月1日水曜日

夏コミについて、等

雑談です。

完全版のリリースを待つ間、翻訳チームとしてかたわ少女のプロモーションをどうにかしたいと思い、同人誌の作成やイベント参加等を行ってきました。

しかし完全版がリリースされた現時点では、翻訳チームとしての主な活動は(名前の通り)翻訳作業と言うことになります。

開発側に打診したところ、夏コミ向けに本を作る予定はないとのことでした。そのため夏コミおよび以後のイベント参加については非常に不透明です。

翻訳に数年はかかりそうな見通しのため、できればその間のプロモーション(=イベント参加)も平行して行いたいところですが、翻訳チームだけで本を作るのは厳しい状況です。

日本国内のKSファン層の盛り上がりにささやかな期待を寄せています……



追憶シリーズを公開しました

お待たせしていましたが、Aura氏による完全版リリース以後の振り返りシリーズの翻訳記事を公開しました。

時間のあるときにご覧いただければと思います。

追憶シリーズ(1) 一週間ぶんの思い出
追憶シリーズ(2) Mike Inelの数奇な人生
追憶シリーズ(3):「かたわ少女」の長い歴史:その2
追憶シリーズ(4) 私たちについて
追憶シリーズ(5) そのやり方は間違っている(でも大丈夫)
追憶シリーズ(6) 開けっぴろげであること
追憶シリーズ(7) 別離の季節


2012年1月31日火曜日

Kotakuオーストラリアのレビュー記事翻訳


完全版のリリース以後、海外の各種ゲームサイトやブログで、かたわ少女のレビュー記事を多く目にすることができるようになっています。

ゲームニュースサイトのKotakuオーストラリア版に、Aura氏へのインタビューを含む紹介記事が掲載されました。こちらに日本語訳を掲載します。

(翻訳について問い合わせフォームから問い合わせたのですが、回答が得られませんでした。もしクレームがあった場合は記事を取り下げます。)


リリース直後の一連の裏話については現在翻訳中ですので、もうしばらくお待ちください。


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思いも寄らない真摯さ:障害、少女たち、そしてかたわ少女のこと


(元記事> http://www.kotaku.com.au/2012/01/unexpected-sincerity-disabilities-girls-and-katawa-shoujo/)


もしあなたが『かたわ少女』プロジェクトのように、多国間で無償で作成された障がいのある女の子達とデートを楽しむエロゲが作られていると聞いたとしたら、どのような想像をするだろうか? 醜悪で道理に反し、やりたい放題な内容になってしまうと考えるのではないだろうか。その上、繊細さと思いやりの『無さ』に定評のある超巨大掲示板、4Chanからその製作が始まったと聞けば、ますますその考えを強めるに違いない。

しかし、それは間違いだ。

ゲームの舞台となるのは、様々な障がいを抱え、特別な支援を必要とする生徒の為に創立された私立学校。心臓に問題がある事が分かり、この学校へと転校せざるをえなかった一人の少年、久夫の生活を中心に『かたわ少女』の物語は進んでゆく。ビジュアルノベルと呼ばれるジャンルのゲーム(逆転裁判, 極限脱出 9時間9人9の扉, ゴーストトリックやウィッシュルーム 天使の記憶と同様だが、さらにゲーム性の低いもの)である本作は多量の文章を含んでおり、時折出現する行動の選択肢によって物語が変化してゆく。勿論このゲームであれば、各ルートで様々な障がいを抱える同級生とのロマンスが中心となって展開してゆくのだ。

それだけを聞くとこのゲームは、まさに「他人が聞いたら眉を顰めるような性癖」を満たす為の手ごろで簡単なポルノのように聞こえるかもしれない。しかし、勇敢にも(または大喜びで)このゲームの世界へ入っていった人々からの反応は、大多数がそのゲームの誠実さへの賞賛であった。内容に細心の注意を払い、クオリティは一般で売られている商品と比べても遜色が無く、そして我々の感情へと強く強く訴えかけてくる物語を備えている、と。
Leigh Alexander が2010年に体験版の取材を行った時、彼女は以下のように書いている。
「かたわ少女は人々が想像しているものとは大きく違い、主題への深い尊敬の念に満ち溢れている」

問題と認識

主に西洋文化で育った人々にとって、エロゲの本質の一部とも言える性行為と性的表現に対しての享楽的な部分が『かたわ少女』における最も大きな問題点であった。異質で不快に思われても仕方の無い主題と、露骨な題名(「かたわ」は主に身体の障がい、もしくは障がい者を意味するが、英語の"crippled"に近い。日本では時代がかった差別的な言葉とされる。)を持つこのゲームは、初見の時点で極めて侮辱的な印象を人々に与えてしまうのも無理は無かった。

「性行為を含む物、特にゲームの類は、ただ性的な感興とポルノを楽しむという目的のためだけに作られているのだ」というのが社会の一般的認識だとすると、この障がいを主題としたゲームを見た人々が真っ先に「特殊性癖の人」用の物だと思うのも仕方がないのだろう。しかしこのゲームの開発者グループであるFour Leaf Studiosのメンバーは、そのような反応は間違っていることを証明するために多大な労力を費やしている

「純粋で誠実な物語を作るために、あらゆることを一から設計した。決してつまらない性癖を満たす為だけに作ったのでは無いよ」 かたわ少女製作グループのメインライターであったAura氏は語る。「私たちがそうすることを決めたのは重要な決断だったけど、同時に自然に決まったことでもあった。」

彼の決断の中にあった重要な点の一つが、まず様々な障がいの現在の実情をしっかりと捉える事であった。Aura氏は、開発チームによる広範囲に渡った詳細な調査がそれを可能にしたのだと主張する。「私達のチームの中には医療関係の職についている者がいて、物語が現実的であるかを常に確認していたよ。また、障がいについても調べた。その種類、度合い、そして今存在する障がいに対する解決方法。もちろん想像力を働かせて作った部分もそこかしこにある。ただ心に留めておいたのは、障害を現実味のある形で描写することが大事だということだ。」

この考えはゲーム内の性的行為にも及ぶ。「個人的に、エロゲ全般のセックスシーンは実に馬鹿げていると思えるんだ。作り自体もぞんざいだし、その部分以外のごく普通な物語とのギャップが酷いと思う。こういう唐突な展開は実にうっとうしい。単に性的欲求を簡単に満たす為だけに遊んでいるのなら、それでも構わないと思えるのかもしれないけどね。でももしそれが目的なら、このゲームのように何万、何十万文字もの長さの物語をわざわざ読みたいと思うかい?」


「私達はただ単純なポルノなんてのは作りたくなかった。だから、私達がそうなって嬉しいと思えるタイミングと方法でのセックス場面を作り出そうと努力を重ねてきた。各シナリオのライターと絵師たちはそれぞれ違った方法でそれを達成しようとしてきたけれど、全体的な総意としてはセックスが物語中のごく自然な一部に思えるようにするという事だった。人々の現実での生活の中でもごく当たり前に行われているようにね」


「ただ、私たちがエロゲを作っているのだという事は忘れていない。だからこそ、客観的には不要な要素もゲーム中に作り込んだんだ。たとえば主役の女の子達全員分のセックスシーンとかね。」 そう認めながら、Aura氏は続ける。 「でもさっきも言った事だけれども、全てにおいて話から逸脱しない、ごく自然な流れを保つ事が私達の希望だった」


はたして性的行為の内容を含まずしてこのゲームはこれほど感銘を与えうるものになっただろうか? と言う質問に対し、Aura氏はこう答えた。 「勿論そうなったと私は思っている。性的なシーンを含めるべきか否かという議論は製作している長い間、ずっと話題に上っていたんだ。私にとっては、それが実際の所不要だったという事の証だと思えるよ」

心臓の鼓動、心の痛み

改めて言うまでもなく、Four Leaf Studiosは礼節と敬意を持って障がい問題を取り扱い、味わい深く心に語りかけてくる物語を作り上げる事に大成功した。ゲームを進めていく中で感じた衝撃を共有しようとインターネット上では日々無数の会話が繰り広げられているが、その参加者の中にAlex*という人物が居る。彼は大多数の他プレイヤーとは違う視点からこのゲームの内容を見ていた。今回は彼について話をしていこうと思う。

Alexは演奏家であると同時にゲーム好きな、ごく普通の人物だった……昨年の7月に二種類の重度の不整脈症状を患っているのだと発覚するまでは。その症状は、このゲームの主人公である久夫と非常に似通っている。「僕は自分にストレスを感じさせるような行動を何ひとつ出来ないんだ」 Alexは語る。 「そうなると精神的にますます辛くなってくる。自分の抱えている全ての問題がこの症状のせいなんだって思えてきたりね。病院までも大嫌いだと感じるようになっていたよ」

「でも同時に、僕の周りの人はみな何かしら自身の重荷を背負っているのだ、と言う事にも気付く事が出来た。おかげで今僕は、他人の視点に立って深く考える事が出来るようになった。まさにこのゲームのおかげで目から鱗が落ちたって奴さ」

Alexは彼の心臓の問題が発覚する以前から『かたわ少女』の事をネット上の掲示板などで聞き及んでおり、体験版は既に全てクリアしていたそうだ。しかし、当然ではあろうが、彼自身の症状が判明してからのゲームに対する思いは大きく変わって行ったと言う。

「このゲームはやはり素晴らしいよ。不整脈を患って、病院でただ過ぎていく時間を見守るだけの生活で感じる精神的苦痛が、そして何をするにしても今後一生心臓の事を気にして生きていかなければならないという事実を突きつけられている悲しみが、とても良く表現されているのだから」

「主人公はゲーム内で、病院に閉じ込められて将来をまったく思い描けない状況への感情を吐露している。また、彼が持つ症状をまるで呪縛か何かのように感じ、そこから一生逃げられないのだとも感じているね。これらはまさに、僕がリハビリを始めてから最初の数ヶ月で感じていた事とぴったり一致するんだ」

「かつての自分にとって、そう言った文章は単に暇つぶしに読んでいた文章でしかなかった。でも自分自身が同じような状況に放り込まれた今では、主人公により共感できるんだ」

「確かにかたわ少女という題名が率直過ぎるとは思うけれど、ゲーム自体が乱暴な物だとは全く思っていない。僕らのような存在だって人間なんだ。人生が様々な困難に取り囲まれていたとしても、普通の生活を送りたいと思っているんだよ。分かるかい?」

数奇な歴史

かたわ少女製作の物語の始まりは10年以上前にさかのぼるが、実際の開発が継続的に続けられたのはその半分のほど期間である。2007年1月、掲示板でとある風の谷のナウシカの同人誌が色彩化・翻訳され、アップロードされた。RAITAという人物によって描かれたその同人誌の作成は2000年という古いものであったが、その中でRAITAは将来の製作構想のひとつとして、障がいを背負った少女達との交流を主題としたビジュアルノベルについてのコメントやキャラクターの絵を描いていた。

それは4chanの一部の中で大反響を呼び、匿名の住人たちは熱狂的にその構想を取り込み、ついには存在すらしていなかったそのゲームを作り上げようという試みすら始まった。製作は様々な事件を経て4Chanの掲示板の元を離れる必要性を感じ取り、専用の開発チームを形成。それをFour Leaf Studiosと名づけた。奇妙奇天烈で大衆的、そして何よりも混沌という言葉がぴったりな公開掲示板への名無しの参加者はやがていなくなってしまった。それでもFour Leaf Studiosは、その起源が巨大な名無しの集合体にあることには認めつつも、4chanからは名実共に分離した形で突き進んでいった。奇妙奇天烈で大衆的、そして何よりも混沌という言葉がぴったりな巨大掲示板との交流はこの時点で終了しているが、Four Leaf Studiosのメンバーはこの匿名の集団から象徴的・実質的に離れていたとしても、その起源は間違いなく4chanにあったのだと全員が同意している。そして彼らは、様々な困難を乗り越えてきた。

「4chanとのつながりは、まさに両刃の剣なんだよ。とある人には魅力的に見えても、別の人にとっては拒絶の対象になってしまう事もある」 Aura氏はそう認めながら続けた 「私達は何年も前からこのチームは4chanではないと言う事を宣言してきたし、実際このゲームは4chanで作られたものでは無い。それでも、同じような存在だと思われていたとしても騒いだりはしないよ。事実が述べられている限りはね。」

Four Leaf Studiosのメンバーのほとんどが匿名を使用し、現実での名前を表に出していた者はほとんど居なかった。その事実だけでも彼らが4chanから離れていたとしても、そこから続くインターネット文化や意識を根強く持っている事が分かるだろう。

「もうこれは伝統的と言ってもいいんじゃないかな、きっと。昔からインターネット上では、無名や匿名での交流がほとんどだったから。」 Aura氏は説明する 「つまり、私達がそういう方法を取ったのはごく当たり前の事だったよ」

特異性

Four Leaf Studioの存在は、小規模独立プロダクションとしてはとても珍しく、言ってみれば完全にユニークである。世界中に散らばる21人のインターネット上でしかお互いを知らない人々が、報酬を全く期待する事もなく、ただひたすら作成に情熱を傾ける。そこまでの努力と時間の結晶であるゲームをなぜ、無償で提供しようとしたのだろうか?

「作業しなくてはいけない量が膨大になる事は目に見えていたからね。もし有料で販売して売り上げが出たとしても、私達がやってきた事に比べればそんなものはほんの小さいものさ」 Aura氏は語る。 「もしくは、ある意味理想を求めて作業をしてきたからなのかもしれない。この製作プロジェクトを立ち上げた時から報酬はこれっぽっちも期待していなかったし、それがある意味原則になっていたから、後からみすぼらしい真似をしてでも覆そうとは考えなかったね」


「他の理由としては、そう言った事で頭を悩ましたく無かったんだ。お金はいつも面倒な問題を引き起こすものだ。無料で欲しがる人全員に配る、それが単純明快だし、私達もそれがベストだと思ったのさ」


Aura氏が『創造性の培養試験皿』と表現したこのプロジェクトは、すでに出来上がっていた労働環境にすぐさま影響を及ぼしたわけではなかった。 「始めは単なる開発の手順でしかなかった物が、試行錯誤を繰り返す事で次第に組織的な開発の方法へと変わって行ったんだ。最初は私達の効率はなかなか上がらず、でたらめに迷走する事もあった。けれども、私達が大得意とする部分もあったんだよ」


「全体的にみれば、長期的なプロジェクト進行の中で最大限の効果を引き出したいならば参加者が心地よいと思える労働手順を確立してく事が大切なんだと思う」 Aura氏は当時を振り返りながら語る。 「基本的で、最も頻繁に行われる流れ作業では、意見を聞いては手直しをし、また意見を聞いては手直しをする、と何度も同じ事を繰り返していく必要がある。その中でメンバーは必要があれば何日もかけて単独で作業をする事もあるけれども、それも全て製作を進めていく流れの中で共にやっているのだと言う仲間意識を持つ事に繋がっていったんだ」


「私の知る限りでは、こういったビジュアルノベルゲームの製作に関して、私たちは全員素人だった。けれど、メンバーの数名が現実で専攻している勉強や実際に働いている職業は、Four Leaf Studiosでの役割に関連があった。その結果は当たり前だけど、いろんなことをいちから学ばなければならなかったし、間違った手法で作ったコンテンツを作り直したりもしないといけなかった。」


「私達は言うまでもなく、インディーズでゲームを開発しているグループだよ。他にどう言い表せば良いか良く分からないくらいにね」 Aura氏は続ける 「独立性や創造性と言うかそういった物が私たちにってはとても重要だと感じていたし、日々考えている事全てをこのゲームに費やそうと努力していたくらいだよ。実の所、このゲームは他の誰にでもない、私達20人のメンバーのためだけに作っているんだという気分に時々なっていたんだ」

「きっとこれが一種のエクストリーム同人ゲーム開発なのかもね……いや、どうだかは知らないけどさ」

展開していく物語

ビジュアルノベルというものは、テレビゲームとテキストアドベンチャーゲームが混ざったような物だが、どちら側がより強く表現されるべきかなどという事を決める必要はない、と開発チームは考えているようだ。だが、としている。それに関し、Aura氏はこう語った。 「それは……確かに、YesかNoかで答えられる事では無いね。4LSのメンバーの中でもその意見は割れている」

「基本的に、ビジュアルノベルに真にゲームと呼べるだけのゲーム性が十分にあるとは言えないんだ。自身の選択で進むページが変わっていくゲームブックに、絵と音楽をくっつけたようなものさ。そしてゲームブックのようなものを『ゲーム』とは呼び難いよね。ビジュアルノベルでは様々なエンディングをくっつけて、そこに到達出来るかどうかで勝敗を決める要素もあるからゲームとして取り扱うのは理解できる。ただ、必ずしもゲームの範囲に含めなければいけないものでも無いし、そう言った考え方は根本的に違うと個人的には思う。つまり、ビジュアルノベルは多くの人からゲームと言う風に扱われているけれど、実際の所ゲームでも何でもないんだよ」


「そして、テキストアドベンチャーゲームを書くというのはそれ自体が独特の手法であって、特有の難しさがあるんだ」 Aura氏が考え込みながら言う 「そうだね、映画や舞台の脚本を書く事と比べてみようか。どちらも映像と音楽も重要になってくるからね。ただ、ビジュアルノベルでは主要人物の心情やその移り変わりが非常に重要になってくる事が多い。その点が映画や舞台の脚本を書くにあたって重要になる事はめったにないよね」


「選択肢によって様々に枝分かれしてゆくという構造を持つ文章を書く事もまた、とても難しい点だね。それがビジュアルノベルを書く上での最も難しい事であり、この分野と他の文学を分け隔てる大きな違いでもある」


5年という歳月をかけて生み出された世紀の傑作から、Four Leaf Studiosは何を学んだのかと質問をしてみた。するとAura氏は特に考え込む風でもなくこう答えてくれた。 「ビジュアルノベル形式と言うのは今までのゲームの歴史のなかでほとんど扱われてこなかった分野だけれど、実際の所はとてつもなく奥の深いものだと分かったよ。誰もが自身の想像力を十分に発表し、演出する事の出来る素晴らしい物なんだ。けれども、今あるゲームのほとんどがそこまでの努力をあえてしようとはしていないのが非常に残念だ。分野としては始まったばかりの媒体だし、今後の製作者達には是非とも表現の限界へと挑戦して行って欲しいね」


「また、このビジュアルノベル方式はスマートフォンのような携帯端末やタブレット端末で遊ぶのに最適だと思うんだ。開発者達はその点をもっと良く突き詰めて欲しい。西洋文化におけるゲーム業界の現状打破は非常に難しいとは思うけれど、決して不可能ではないはずだ」


最後に


(かたわ少女開発ブログで公開された)ゲームのリリースノートによると、Four Leaf Studiosの物語は完結したとある。しかしAura氏はこの点について言葉を濁している。「私達はこのゲームを完成させる為に集まり、そしてついにそれを完了した。私達自身の役目もまた、完了したのだ」と書いているが、彼はその事について「解散」では無く、むしろ「冬眠」のように捉えてもらいたがっているようだ。ブログ記事では「4LSという集団として、別のゲームを作る事はない」とも述べているが、Aura氏は何処か、それはある意味で機会・状況・そしてインスピレーション次第であると考えているようだ。。


「まだこれと言って決まった今後の予定は無いんだ。私たちの誰かが何かを新たに作り出そうと動き始めるかどうか、全てはそれにかかっている」と彼は繰り返す。


「と言っても、完成版発表の二日後には一人の絵師から今後のプロジェクトについて提案があったからからね。しかも、先のプロジェクトと同じくらいの熱狂さで。それが私たちの今後を暗示していると思うよ」


最後に。Aura氏が総括した『かたわ少女』における重要なメッセージのひとつに、「人がその障がいによって定義付けられる事など無い」というものがある。そして多くのネット上での評論がそれに同意している。EscapistマガジンのコラムでDeskimus Prime氏はこう語った。「これは障がい持ちの少女とデートすると言うゲームなんてものではない。デートする少女がたまたま障がいを負っているというだけなのだ。人々がその障がいによって定義され、区別されるという考えを私は憎む。そしてこのゲームの中心にあるテーマは、『人は、各自がどのような人物かによって個別に判断されるべきであり、意図的な偏見や横着によって寄せ集められた特徴の積み重ねだけでその人を判断しようとする事は間違っている』、まさにそれなのだ」

Alexもまた、このゲームに関して同じ感想を抱いている。「僕はこのゲームのプロジェクトがはじまってから何年もずっと追いかけていたようなファンでは無いんだ。けれど、もしこの『かたわ少女』に何か意味を見出すならばこういう事だと思う。『たとえどのような過去があっても、どのような外見をしていようとも、その人は人間なんだ。そして人間らしく生きていくべきなんだ。』」

「でも悲しい事に、そういったメッセージは多くの人には伝わっていかないのが現実なんだと僕は思う」

*プライバシー保護のため氏名を変更しています。

2012年1月21日土曜日

ブログ記事の表示不具合

IEブラウザで当ブログの記事を表示すると、ただしく表示されない問題があるようです。
コメントがついているブログ記事を開くと、スクロールができない/画面が真っ白になる等の現象が出ます。

他のブラウザ(Firefox, Chrome等)では問題が発生しません。登録済みコメントを非表示にすれば改善するのですが、できれば避けたいので現状維持としたいと思います。

原因については調査中ですが、その間はお手数ですがIE以外のブラウザでご覧いただくようお願いします。

2012年1月19日木曜日

かたわ少女サウンドトラックを公開しました


かたわ少女オリジナルサウンドトラックをダウンロード公開しました。公式サイトのダウンロードセクション、またはこちらのリンクから参照できます。

直接ダウンロード:Katawa Shoujo Enigmatic Box of Sound

かたわ少女のゲーム中で使用された全ての楽曲が収録されています。かたわ少女に楽曲を提供してくれた作曲スタッフのみんな、特にメインミュージシャンのNicolArmarfi、ごくろうさまでした。

-Suriko

翻訳ボランティアの募集についてお礼

翻訳チームのものです。

先日の完全版リリースに合わせて、翻訳ボランティアの募集をいたしました。

結果として30名を超える方からのお問い合わせがあり、現在までに17名の方に翻訳チームにご参加をいただきました。この場を借りて深くお礼申し上げます。

今回の募集はひとまずこの記事をもって締め切りとさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。

ただし、完全版の翻訳は長期にわたると考えられるため、今後もメンバーの出入りは発生すると考えています。特に英訳のスキルを持つ方は多いに越したことはありません。
必要に応じて追加募集を行う可能性がありますので、関心のある方は引き続き開発ブログをチェックしていただくか、以下のアドレスまで問い合わせをお願いします。

ksjpproject@gmail.com

参考までに、問い合わせをいただいた方にお送りしている案内文を転記します。

こういう形で翻訳を進める予定、ということで参考になればと思います。



Act1(体験版)での作業は以下の通りでした。完全版でもほぼ同様と考えています。

1. 翻訳(下訳 正確な原文の意味をとる)
2. 編集(自然な日本語となるよう、表現や言い回しなどの見直し)
3. 校正(誤字脱字、表記揺れなどの最終チェック)

キャラごとに翻訳/編集の担当者をアサインし、シナリオを頭から訳していく形です。

全てのルートについて編集作業が終了した時点で、校正作業を人海戦術で行い、完了を持ってリリースとします。
(翻訳済みのスクリプトを開発チームに提出し、リリースしてもらいます。)

参加に際して、英語スキルがあれば翻訳、編集から担当していただけると思います。
ない場合は表現チェックや校正の段階からお願いすることになります。

これ以外にも開発ブログの翻訳などの作業をお願いすることもあるかも知れません。

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参加にあたって求められる資質を列挙します。
- 英語(翻訳・編集の場合) 何らかの翻訳経験があると望ましい
- 日本語 何らかの作文経験(小説や文章執筆等)があると望ましい
校正にあたって、日本語文章を厳密にとらえるスキルが必要となります。
- ビジュアルノベル・ライトノベルなどに関する知識
ゲームの性質上、オタク的・文芸的な素養は役に立つと思われます。
- svn等、ソース管理ツールに関する知識
Act1では履歴管理にsvnを使用していました。作業効率化のためのツール使用等も歓迎です。

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参加の際にお願いしたい条件は以下の通りです。

- 翻訳作業を希望する場合、最低でもAct1日本語版および完全版を全部読了すること
- 校正のみの場合でも、Act1日本語版は読了すること。
- どの程度の時間をコミットできるか、あらかじめ申告してください。それに応じて作業の割り当てを判断します。
- 場合によっては作業が割り当てられない可能性がありますが、あらかじめご了承ください。特に英語なしの場合、実際の作業が発生するのはかなりあとになる可能性があります。

翻訳以外の作業についても(ブログ運営等)もしアイディアがあればご提案いただけると助かります。

以上、よろしくお願いします。

2012年1月18日水曜日

ブログが200万ヒット


すごい人数ですね。読んでくれてありがとうございます。

2012年1月15日日曜日

追憶シリーズ(7) 別離の季節


この投稿が一連の回想と私自身のKS製作についての最後の記事になる。が、だからと言ってもはやこのブログが更新されないと言う訳では無い。今後何かニュースや発表があればここに投稿するだろうし、もしかしたら他の4LSメンバーがまだ書き足りないと感じているかもしれない。何にせよ、ここまで読んできてくれてありがとう。

私が現在住んでいる地域では、今はすっかり冬景色になっている。暗く、雪が降り、そして凍えるような寒さ。そんな状況の中でこのゲームの舞台となる日本北部の春というものを自分の頭の中で想像するには、いくばくかの努力が必要だ。今も冷たい風が着ているシャツを突き抜け肌に突き刺さる。だが思い浮かべるんだ・・・そう、桜の花だ。あの絢爛豪華な桜の花がそこにあるはずだ。季節は勿論、春。歩道の両端には美しく映える桜の並木が揃い、人々が行きかう。今日は山久高校の卒業式。そして私もそこに参加している。


卒業生たちが校舎へと歩いていく。彼らにとってはこれが最後の登校となる。上のMikeの絵のように、その様子は非の打ち所もない。会堂に入ると、そこはすでに人で溢れている。彼らの音を抑えたささやき声からですら、興奮しているのが感じられる。その場から聞こえてくるのはまさに「不協和音」(この言葉が使えて本当にうれしい)。みな一様に、緊張しているようだ。その中で、なじみ深い顔がみんなそこに居るのが見える。久夫、静音、ミーシャ、そして華子。琳と笑美。リリーと健二。先生達も。みな一同に、ここに集まっている。

そしてきっと私達も全員、ここに居る。4LSのメンバー全員が、お互いに気づく事なく、この場所のどこかで一緒に立っているのだ。私達が先の一週間の間に感じてきた事を喩えるならば、それはまさにこのような卒業式と言えるだろう。

静音が送辞を述べるかもしれない。私たちが書くようなスピーチを。卒業式には何度も出席した事があるが、スピーチと言うのはその中でも一番重要な部分だ。良き語り手は聞き手の心をつかみ、そして揺さぶる事ができる。しかし下手な者が行うとその式自体が長く苦しい拷問のように思えてくるのだ。はたして静音のスピーチは良いものとなるだろうか。

そして卒業証書授与式。一人ひとりの名前が呼ばれ、壇上へとあがって行く。華子は大観衆の見守る中でも冷静にしていられるだろうか? 琳はいったいどうやって証書を受け取るのだろうか? 想像していると、そんな些細な疑問が浮かんでくる。

ついに式が終了する。退場した人々が交じり合う雑多の中、みな一様に緊張から開放され、今度は感情の波が押し寄せる。涙を流しながら、それでも笑顔で、抱きしめあい、いつまでも友達で居ようと約束を交わす。クラスで会話を交わす事のなかった同級生でも、こんな日だけは大親友のように思えてくるものだ。この中には、今後一生会うことのない人もいるだろう。何年も経った後、まったくの偶然でばったりと出会う事のある人も居るかもしれない。遠い未来の事にそんな事が起こったなら、今日と言う日は二人にとって大切な共通点になるはずだ。心の中に喪失感を覚えるかもしれない。今まであって当然だった生活の一部が、今まさに終わりを告げたのだから。私自身、その気持ちには非常に共感を覚えている。

かたわ少女完全版の公開は、私達の卒業式だったのだ。

日々過ぎてゆく人生の中で、私たちは常に過去と未来の狭間に存在している。卒業式のようなイベントはその事実を私達に改めて認識させてくれる。それも道標なのだ。人の人生に起こりうる、急激な変化の印だ。この祭典の為に正装し、一輪の花を胸元に添える。もちろん、その姿を見に来てくれる人たちもいるはずだ。置いていかなくてはならないものもあるだろう。だがそれは同時に、新たなる門出なのだ。未来は私達の目の前に開けている。今居るこの場所から、望むがままに行き先を選び、足を踏み出していける。

かたわ少女製作の道のりは長いものだったが、今ここに終わりを告げた。
みなと共にここまで来られた事をとても幸せに思う。みんな、ありがとう。

- Aura

2012年1月14日土曜日

追憶シリーズ(6) 開けっぴろげであること


多少なりともKSプロジェクトを追って来てくれた人なら、4LSの他のメンバーの誰よりも、私になじみがあることだろう。このブログは私の思った事がつらつら書き連なっていただけの事も多かったし、一部KSメンバーたちの全掲示板投稿総数よりも私の公式掲示板への投稿数の方が多いくらいだ。もちろん自分が4LSの代弁者だと言っているわけではない(もしそんなのがいるなら、Surikoの方が当てはまるな)。ほとんどは私の個人的な意見、考えというだけだ。私が他のメンバーたちよりこういう発信ごとが好きだったので、結局投稿も多くなってしまった。過去に書いたことを振り返ると、いくつか頭に浮かんでくるものがある。

ブログでの初期の投稿は確かにKS開発の進捗状況を適切に伝えていたけど、これはすぐに、どんな風にかたわ少女が制作されているかを伝える実録記事へと変わっていった。多くのエントリーは一般論を述べていたり、あるものはKSに全然関係がなかったり、またあるものはただの閑話休題だったりした。だけど、これらの記事はみんな、私たちの考え方を何らかの形で率直に表すものだった。その多くには賛否両論、さもなければ激しい異論が返ってきた。機械的に開発詳細を報告するのでなく、とても醜い部分ですら隠さず率直にオープンにしてきたわけだが、当時の私たちはそれをよしとしていたし、そのほうがおもしろいと思っていた。こういうスタンスを気に入らない人たちも非常に多い(一体開発の方はどうなっているんだ、とたくさんの人を怒らせたのも確かだし)ことはわかっていたけど、こうしたスタンスは私たちが楽しんだ贅沢でもあった(後述)。どちらにしろ、このブログを読んだ人たちがそれなりに楽しんでくれていたらいいなと思う。私はもちろんここで書くのは楽しかったよ。

そもそも、どうしてブログなんかやっているんだろう? たぶん私が、いや他のスタッフも、ただやりたいと思ったからだろうね。4LSの「職場」はいつも奴隷労働の日々という訳ではない。雑談をしたり、バカ話に花を咲かせたり、一緒に映画を観たり、開発以外の事もやったりした(ブログや「ファン」アート、シークレットサンタみたいなイベントもあった)。無駄な時間に思えるだろうが、それで私たちの絆が強くなり、プロジェクトにより身が入ったので、楽しい事をするのも重要だったんだ。

プロジェクトへの取り組みの事をもうちょっと言うと、これには私たちの他にもたくさんの人たちが関わってくれた。KSについて特筆すべきなのは、特にAct1のみの体験版リリース以来、実にたくさんのアクティブなファンを得ていたと言うことだ。完全版リリースの時点で、画像掲示板Mishimmieには2000以上のファンアート投稿があり、公式掲示板には開発掲示板の8倍の投稿があり、公式あるいは外部の掲示板には多数の二次創作が掲示されていた。まだ実際には存在していなかったゲームのファン活動としては膨大な量といえる。KSはこうしたファンたちの支え無くして成り立ちえなかったのは間違いない。それに4LSスタッフ間だけでなく、IRC常連、掲示板の人たち、翻訳スタッフ、その他すべての人たちとも素晴らしい時間を共有できた。そうして私たちは皆から力を得たんだ。ただ、KSファンの一部とちょっとした問題が絶えずあったりもして、彼らへの対処法は私たちもよく分からない(取って食えとでもいうのか?)。商業作品のチームには、できるだけ多くのファンを獲得して、満足させるための明確な動機づけがある。金だ。だけど私たちはそういうものを一切持っていないので、ネット上の評判や賞賛を受けて少し妙な気分になってしまう。たぶん私たちはブログや掲示板で自分たちをオープンに見せたり、誰もがIRCで話せるようにする事でファンとつながろうとしていたんだと思うが、ファンの目から見てもそれがうまくいっていたのかは分からない。他方、私たちが全ての人を喜ばせる動機を持たなかったという事は、逆に言えば私たち自身が望む通りできるという利点でもあった。理不尽な人たちには私たちは率直で、あるいは無遠慮でさえあったが、それで後ろめたさを感じた事はないし、ゲームへの熱狂やファンに水を差すような受けの悪い決断をためらうこともなかった。そんなこんなで、スタッフの間では、私たちにファンがつくかどうかに気をもむのでなく、今実際にいるファンのためにベストを尽くそうという考えに落ち着いていた感じだ。

ファンの存在というのは、時には不快に感じた事もあるにはあるが、もちろんものすごく嬉しいものだ。彼らには驚かされることもある。中でもかたわ少女への膨大な数の感情的な反応を見た時には、私たちもぶっ飛んだ気分になる。KSをプレイして泣いたと告白していた人も、そこまで行かなくても、感動したと言ってくれた人もいた。KSは人生を変えるインパクトがあったなんて言ってくれる人もいて、それはジョギングを始めるような些細な変化かもしれないし、音信不通の友達や想い人に再び連絡を取りたくなるような深いものかもしれないし、直面している問題に立ち向かう事だったりするのかもしれないけれど、そんな話を読んで私も感動してしまった。こうした反響を読んだ時の気持ちを全て表現する事は到底できそうにない。だって、KSがたった一人の人生でも良い方向に持っていけたのなら、私たちは客観的に良いことをしたことになるのだから。そんな事ができるとは一週間くらい前までは思いもよらなかったが、私たちが突然再び意識し始めたこうした意義は今でも続き、どんどん予想外の展開を見せている。スタッフの誰かがまた同じような経験をする可能性は限りなくゼロに近いだろうし、私たちが今後何をやっても、この障害者18禁ゲームが与えたほどの大きなインパクトを人々に与えることはないんじゃないかと思う。そんなことを考えると、過去5年の事がとても変に感じられる。

明日の投稿がこのシリーズの最終投稿になります。

- Aura

2012年1月13日金曜日

追憶シリーズ(5) そのやり方は間違っている(でも大丈夫)




かたわ少女をリリースをしてから、自分でビジュアルノベル(以下VN)を作りたいという人達から、たくさんの質問をいただいた。「VN開発の秘訣を教えて下さい」とか「初心者クリエイターに対しての助言はないですか?」とか。なので、お答えしようと思う。私たちは、非常に沢山のVN開発に関するノウハウを積み重ねてきた。それに加えて、VN開発そのものの理論や考え方も沢山集まった。かたわ少女はとてもユニークなプロジェクトだった。そして私たちが学んだ多くの事は恐らくかたわ少女のようなプロジェクト、もしくは4LSでのみ活かせるものだった。それ以外に学んだ事はあまりに基本的なので、一々聞かれるたびに繰り返すほどの価値がない事だった。もちろん、この両極端の教訓の中には便利な知恵もあった。(失敗を繰り返さない為の知識がほとんどだが)。このプロジェクトを踏まえて他人様に教えられる教訓は大して多くない。何がチームの役に立って、何が役に立たなかったのかという逸話だけなので、そういう話をするつもりは毛頭ない。ただ私が思うに、もしも新たに大規模なビジュアルノベル開発に着手し、このプロジェクトで培った知識をちゃんと役立てることができれば、必ずかたわ少女のプロジェクトよりスムーズに、そしてきっと(願わくば!)より良い結果を出せるだろう。

ともかく、例を挙げるために、私たちのしたデザインと開発に関わる判断について説明しようと思う。すべてが終わった今ならきっと、これらの判断が良かったのか悪かったのか分かるだろう。


5人のライターと一つのゲーム


かたわ少女の全てのルートは基本的に、それぞれ別のライターがプロットと執筆を担当している。もちろん私たちお互いに助け合い、大いに協力し合ったが、これが基本的な体制だ。こうすることでいくつかのメリットが得られたが、全体的な整合性も少なからず犠牲になった。別々のライターにルートを担当させる事で、どのようなタイプのプレイヤーでもかたわ少女の少なくとも一部分を気に入ってくれる可能性が上がる。ロマンティックでメロドラマ風のリリールートを好む人もいれば、知的な琳のルートにどっぷりハマる人もいたりと、様々だ。もちろん、こうした多様性によって、プレイヤーがかたわ少女の一切合切を気に入らないという可能性も上がる。だが、それは間違ったことでは無い。この進行方法の最大の利点は、ライターが自分の担当しているルートに集中出来るということだ。主に一つのルートに集中できるようになったことで、間違いなく各ルートのストーリーのクオリティは向上した。そして各ライターの作業工程が他のライターチームの作業からより独立したものになった。

私が思うに、この方法はかたわ少女のようなプロジェクトには適していたと思う。だがしかし、これ以外の多くのストーリーに対しては、この作業方法は不可能に近いだろう。恐らく私たちがするべきだったことは、何を書くよりも前にまずシナリオを改善することだった。そうすれば、実際に出来たものより、ストーリー同士をもう少しだけ関連性のあるものに出来たかもしれない。Act 1では、私たち一人のライターが全てのシナリオを書き、他のライター全員がその全体的な枠組みに合うようにシーンを書いた。この進行方法はまずまずうまくいったし、結果としてAct1の範囲内では物語がより首尾一貫したものになった。。しかし、自分たちは完全版もこうしたコンセプトに従って作りたいと思うだろうか。そして究極的には、大勢のライターよりもたった一人のライターしかいないほうが常に優れているのだろうか。私には分からない。


二重、三重、四重の安全策


かたわ少女プロジェクトの最初の一年は苦労の連続だった。私たちはチームメンバーを失い続けた。特にアーティスト(絵師)を。そして十分な人数の安定したチームを獲得するには一見不可能に思えた。4LSが安定した後も、何かしらの要因でチームメンバーを失う危険性は常にあった。このプロジェクトに助力したい気持ちを除けば、このプロジェクトに誰かを縛る力など無かった。かたわ少女の様なプロジェクトの大多数が失敗するのは、辞めるメンバー続出するからだ。だから私たちはリスクを最小限に抑えたかった。

かたわ少女の原画を見れば分かるが、複数の人間によって描かれているのが簡単に見て取れる。アーティストはライターのように、1キャラに対して1人の体制を取ったが、キャラのルートや一枚絵を共同で行うこともあった。全てのルートで複数のアーティストが関わるので、絵柄が変わることで読者に違和感を与えてしまうこともある
作業効率を考えれば、一人のアーティストがデザインと線画を担当、もう一人がデジタルでペン入れを、残りの人たちはカラーリングを担当し、あとは一人が仕上げをする形が望ましい。この作業方法ならば、かたわ少女の原画作業はもっと一貫したものになっていた。では、なぜ私たちは私たちこのやり方で進めたのか?

なぜなら、私たちの作業方法はイラストに関しての失敗を予防してくれたからだ。もしメンバーからアーティストが抜けた場合でも、全てを一人で抱えていた場合に比べれば、より少ない労力で他のメンバーが残された作業を途中から引き継げるからだ。重要な仕事を一人の人間に任せる状況は大失態に繋がる。考えてみて欲しい、仮にたった一人のキャラクターデザイナー兼原画担当が二年後いきなりトラックに轢かれ、彼女の作業が半分しか終わっていなかったら? これは、ここまで作り上げてきたイラストをすべて捨て、初めからやり直すことを意味する。こんな事態は絶対に避けなくてはいけなかった。

私たちは同じような作業方法を他の作業過程でも行った。この考え方が4LSをとんでもなく長い開発時間と苦労の連続の中で存続させ、かたわ少女のリリースまで漕ぎ着けた大きな要因だった。私たちは常にプロジェクトを最優先し、ゲーム内容を2番目に考え、エゴは最後になるよう努力してきた。KSはいかなる意味でも完璧ではない。しかしゲームが全く完成しないことに比べれば、よほどましなことだ。2008年中頃からは、4LSはチームの誰かが脱退しても生き残れるようになっていた、もちろんその様な事が起きれば作業に支障が出る事になるが。これらの二つの点は、中身の一貫性のなさというKSの明らかな『素人っぽさ』がどこから来ているのかを表しているといえるかもしれない。その多くは、プロジェクトを必ず終わらせようとした私たちの努力と作業工程の効率化を図った際の産物だった。


現実味のあるものに


私たちはビジュアルノベルを作りたかったのだけど、どのようなビジュアルノベルに仕上げるかというアイディアも既にあった。私たちはアイディアを組み合わせ、長い議論や、ブレインストーミング(課題抽出)、出だしで失敗をする日々を通してプロジェクトを発展させた。私が思うに、目指したゴールは「控えめな恋愛話」と言える。
私たちは、KSが属するジャンルの感触を残す一方で、かたわ少女のストーリー、キャラクター同士の関係、物語におけるセックスの役割等々が、もっと自然で真摯なものに見えるようにしたかった。(たいていの場合、この手のジャンルのゲームはそれがない。)私たちは、これに関しては成功もし、また失敗もした。だが、結果的にかたわ少女の出来上がりに関しては誰も不満を持っていないと思う。プレセンテーション、イラスト、音楽についても、同じような考えのもとで作られている。


実力者主義ときまぐれな猫たち


4LSには確かにプロデューサーや、ヘッドライター、ディレクターのような肩書きがあったが、厳密な上下関係は無かった。誰も誰かの上司ではない、メンバーは皆自分の仕事に自分なりのルールを設け、問題などを自らの知恵と話し合いで(また、時には他の方法で)解決した。チーム内に強いリーダーシップが存在しなかった事は「プロジェクト内のトラブル防止」を考えてのことだった、加えて、そうした上下関係に必然的についてくる官僚的な形式主義抜きのほうが、気楽に作業ができた。しかし、ダメな部分もあった。チームの統制とメンバー同士の意思の疎通はプロジェクト全体を通して一番苦労した部分で、一向にマシにならなかった。私が思うにチーム内の報告の少なさと、締め切りを守らせる事を誰も強制しなかったのは、上記に挙げた問題のいい例だ。もしも私たちが新しく他のプロジェクトに着手する事になったら、この問題が私たちにとって一番改善しなければいけない部分だ、きっと作業方法も変えると思う。


5年間


かたわ少女の開発には時間がかかりすぎた。そのほとんどの時間は、意味の無い時間だった。大雑把に説明すると:私たちがメインメンバーを揃えるのに一年掛かり(4LSはプロジェクトが始動した半年後に設立され、そこから9ヶ月の間にSC、Nicol、Suriko、に加え、全ての絵師が参加した)、それから一年かけて作業方法と何をどうやってすればいいのかを検討し、そして実制作に3年間。そのうち1年くらいは、各メンバーの実生活の都合や、コンテンツの破棄と作り直しなどによって無駄になった時間だった。そのため、かたわ少女の様な作品を今のメンバーで構成された4LSが、何もかもうまく製作したら、きっと2年以内という短期間で行えるだろう。私も、これなら上出来だと思う。私たちは、試行錯誤を通して色々な事を学ばなければいけなかった。そして、かたわ少女の開発を趣味として、空いた時間に行うのは困難を極める時もあった。このプロジェクトには近道など無かったし、もっと早く完成させる事が出来たかもしれないが、完成までに時間を掛け過ぎた事については後悔はしていない。


というわけで、もしこうした決断をもう一度しなくてはいけないとしたら、また同じようにかたわ少女を制作するだろうか? 多くの場合では、恐らくそんなことはないだろう。だが制作の一部分については、まとまりの無く、ビジュアルノベル開発に関して全くの初心者の集団にしては、結構うまくやることができたと思いたい。

- Aura

2012年1月12日木曜日

追憶シリーズ(4) 私たちについて




私はAuraと名乗っていますが、それは私の全てではありません。

私は区分けされた自分の一部としてAuraを使っているに過ぎません。もちろんそれは特別な事ではありません。たくさんの異なったシチュエーションの中で、皆が毎日やっている事です。私にとってのその恰好例が、インターネット上の人格です。私をAuraとして知っているほとんどの人は私の「実生活」を知らず、私が実生活で接するほとんどの人はAuraが誰かを知りません。私のツイッターを見て下さい。あれは、私ではなく、Auraのものです。フォロワー達はそこの私をAuraと見ているのであり、私はAuraとして知っている人のみをフォローしています。上のイラストを見てください。Auraはかわいいアニメ少女の顔だって持っています。これは気まぐれなアーティストたちが、私には萌えがふさわしいと考えた結果なのですが。

アイデンティティの事と、「個人」から「人格」を切り離すという事、これらを考えてみるのもなかなか面白いものです。このプロジェクトのために、世界中から、異なる人生を歩んできたたくさんの人が結集しました。そんな私たちは、ネット上のまとまりのない集合体でなく、お互いに慣れ、協力し、そして一つのチームとして溶け込んでいく必要がありました。こうしたいきさつの中、本当にたくさんの出来事がありました。

私たちは卒業し、あるいは入学し、新しい仕事を見つけ、あるいは現職で出世したりしました。最年少のメンバーは成長し、最年長のメンバーはさらに歳を取りました。恋に落ちたりも、恋に破れたりもしました。新しい友達ができ、あるいは結婚し、子供が生まれました。巡る季節を見て、誕生日や、クリスマス、新年を祝ってきました。

その間シナリオも書いてきたし、CGも描き、作曲もし、プログラムも書いてきました。様々な激論を交わし、体系化していきました。ケンカをし、仲直りをしました。去る者もいれば、来る者もいました。一区切りついた時やリリースの時ごとに祝い、停滞を心配し、進展を追い、いついかなる時も前に歩みを進めてきました。

5年の間、私たちは平行人生を生きてきたのです。私たちはこれらの経験をお互いに一部分だけ共有し、そしてまたKSで得た経験を一部分だけ実生活の友人たちと共有してきました。今でも私たちの二つの人生は並行したままです。4LSでの活動は私の人生の一部ではありますが、それでも、それとは違う何か別のものなのです。他のメンバーたちもそうなのかどうか、ちょっと判りませんが。

では、Four Leaf Studiosとは、私が5年の月日を共にし、こうした出来事を共に過ごしてきた人たちとは、一体誰なのでしょう? 私たちは旧来自分の事を多く語らず、スポットライトを浴びる事からも避けてきました。私も本当はよく知らないのかもしれませんが、彼らに対するいくつかの印象をここでシェアする事はできます。

Hivemindは凡人と秀才の両気質を備えた面白い人です。彼はいつも砕けた雰囲気を持っていましたが、時々知的な面を発露し、私たちを最も興味深い議論へと引き込んだものです。彼の文章スタイルは4LSの中でも最もユニークで、それが問題を引き起こすのではと恐れた事もありましたが、最終的にはちゃんとまとまりました。Hivemindは編集チーフのSilentcookと最も仲の良かったライターですが、きっとそれは彼がSCを絶えず不適切に煽ったりという事をしなかった唯一の人物だからでしょう。

Surikoは時折、プロジェクトの全責任を負いました。彼はどんな時でもプロジェクトの成功を全てに優先し、他に誰もやれなかった時には、最終的にはSurikoが私たちを取りまとめてきました。彼はシャイかつロマンチックで(女性注目!)私たちが彼に使えると思うありとあらゆるネタに関してよくからかいの対象になったりもしましたが、彼はまた正直で自分をしっかり持った信頼の置ける人物であり、そして絶対にあきらめない人です。

A22は本当に、本当に賢い人です。ですがまた非常に好戦的でもあり、強迫観念にとらわれやすく、彼との会話自体もしばし苦慮の元となりました。ライターとしての彼は言ってみれば言葉の彫刻家であり、文章を完璧に気に入るまで注意深く推敲を重ねます。それは時に膨大な時間を要しました。彼とmoekkiのライター、アーティスト関係は波乱に満ちていて、時にはそれがバカバカしいほど行き過ぎたりもしましたが、例えば時々グラフィックの方がシナリオを指図したり(他のペアは逆です)といった事もありました。彼らの友情については私はもう別に理解したくもありません。

Cpl_crudは私やA22とは全く反対のタイプのライターです。彼は極端に直観的で簡単に「フロー」に乗るタイプですが、時に苛立たしいほどに軽率で不注意です。それでも、彼との活動はものすごく刺激的でした。Crudのボキャブラリーは笑ってしまうぐらい多く、そんな語彙の使用を彼は躊躇しません。どれくらいかというと、彼は時折1800年代のビクトリア朝時代の英語で文章を書くので、(4LSでよく行われる、総掛かりで相手をバカにする手順を使って)2000年代のアメリカ英語で書くよう仕向けないといけませんでした。(Surikoにも同じ悪癖があります。4LSのオーストラリア人ライターはみんな問題があるみたいですね)

Silentcookはライターチームの中の常識家。少なくとも彼はそう思いたいでしょう。確かに、スタッフが野心的すぎるアイデアやできそうもない計画を持ち始めた時には彼がそれを落ち着かせました。そのために時には暴力的な脅しを用いたりもしましたが。それは置いておくとして、彼の仕事は機械的といえるものでした。スタッフの誰一人としてSilentcookの処理能力や作品の質について心配する必要がなかったのですが、それはこの類いのプロジェクトには非常に重要なことでした。

Deltaは全てのスタッフからたくさんの成果を要求しましたが、彼自身にも最大限の要求を課していました。問題は、彼は実現不可能に思える仕事を次々こなしていったものの、私たちがいつも同様にできたわけではなかった事です。Deltaは主義を重んじる人でとんでもなく強情であり、彼との議論で誰もがへとへとになるため、誰も彼の逆鱗に触れようとはしませんでした。ですがDeltaは洞察力もあり、彼がKSを最高の作品にするために必要なたくさんの要素の真の原動力だったのです。彼は世界で最も才能あふれるビジュアルノベル監督の一人だろうと思います。彼と私はいつも非常に仲がよく、私の持つ過去数年間の楽しい思い出たちはほとんどが彼と一緒に活動したときのものです。

Moekkiは全ての事とスタッフに対しとても心配性な人です。上手くいっていない時には彼女が最初にストレスを感じ始め、うまくいっている時も逆の発想をしてやっぱり心配しました。Moekkiは大きな心を持ち、その心すべてをプロジェクトに注いでくれました。Surikoがそうしてくれたように、いつもプロジェクトを最優先し、その他の事を後回しにしていました。Moekkiは非公式なアート指導者(間違いなく4LSで最も損な役回りです)であり、恐らく最も生産的なアーティストであり、そしてDeltaとは好対照な人物と言えるでしょう。全ての4LSスタッフの中で、彼女が間違いなく私の一番の親友です。

実生活多忙のためにkamifishは開発の大部分で一歩身を引き、本当に製作に従事するのみで、スタッフとの連絡は最小限に抑えていました。そのため、スタッフの間で彼女は実在しないのではないかという笑い話が生まれたほどです。ですが琳ルート製作の共犯者として、私はちゃんと彼女とCGイメージや琳の外見などについて画像化のために時間を費やしました。議論は驚くほどに一方通行で、私がアイデアや参考になるもの、コンセプトを意識に浮かぶままに堰を切ったように喋っている間、kamifishは辛抱強くそれを聞き、それらを明確にするために質問し、それから「できます」のような簡潔な一言で議論を終えます。それは決断がなされたことを意味し、彼女は描画作業に移るのですが、時にそれは12時間以上に及ぶ狂気のマラソン仕事になる事もありました。

Raideの好奇心と勤勉さは留まるところを知りません。彼は何でもかんでも学ぶことを望み、情報ソースや確認、さらなる情報を得るための調査を常に怠りません。彼は膨大な事柄について常に追い続け、4LSの外のたくさんの事柄にも興味の対象を向けます。彼がどうやって時間を作り、それらすべての活動に集中できるのか、私にはさっぱり分かりません。4LS全体としては控えめである事を好んでいますが、Raideは時々その事を、他のたくさんの事柄に対してもそうであるように、真剣にとらえ過ぎたりします。

Pimmyは4LSの良心です。彼女は私たちが時折お互いに向けるバカな態度を全く許容せず、争いを非常に嫌います。彼女は皆が友人同士であればとただ一心に望み、そのため私たちを見て腹が立つような事もあったはずです。不安と駄々こねに陥りやすく、エリート主義者たちからたくさんの非難を浴びせられるようなテイストを持ったPimmyは、自身の「内なる子供」に最も近しい人物です。Pimmyが成長したとき、彼女は魔法の国のお姫様になるでしょう。


Weeeは大きく成長しました。これが彼女に関して思いついた最初の事というのも変なのですが、しかし彼女は本当に、性格も才能も、彼女が14歳の若さで4LSに参加したときから目を見張るほどに成長しました。weeeに関し他の注目すべき点は、彼女のアートへの驚くほどの情熱です。あなたは絵を描くのが上手くなりたいと思いますか? もしそう思うなら、weeeのやったことを真似てください。毎日2時間、5年間、絵を描き続けてください。

Climaticは4LS公式のへそ曲がりです。彼はほとんど全ての議論において私たちへの反論を試みてきました。そうしなかった時でも、どんな事柄に対する楽観や熱心さの表明にも、れが慎重に表明されたものであっても、彼は容赦なく嘲笑を浴びせかけたりしました。
もちろん彼は、よい面でも悪い面でも、アーティストチームの中の真のアーティストでもあります。

Mike Inelはプロフェッショナルです。彼は常識外れなまでの労働倫理と、絶える事のない熱心さと野心を持ち合わせています。彼にとって、難しすぎる提案などありませんでした。彼はどの提案も喜んでやっただけでなく、それにほんの少し演出を加え、いつも提案のさらにワンランク上を目指していました。Mikeは少し人が良すぎる性格の持ち主で、彼は4LSの他のスタッフ皆を「サー」や「マーム」と呼んでいます。

KagamiはSilentcookの手下で、恐らくこの関係が4LS内唯一の直接的な上下関係でしょう。彼は控えめで静かですが、(よい編集者に求められるように)注意深く、そしてほとんど話さないため、思いもよらないとても鋭い批評を思いつく性質を持っています。

「才能を与えられた」と呼ばれる人たちは、傑出した事を何の努力もなくこなしてしまいますよね? それがまさにNicolです。彼に対しほんの数語を用いて描写し、2時間与えれば、本当に素晴らしい曲を作曲してくれます。彼は数年にわたりとても生産的で、OELVN界隈の複数のプロジェクトを渡り歩き、膨大な数の曲とサウンドトラックを生み出してきました(そのため彼は嘲笑的に「自転車」と呼ばれています)。Nicolはイライラしているのが好きですが、実際はいい人で、賢いです。

Yujoviは4LSの傭兵です。kamifishと同類のような人で、必要な時に現れ、要求された仕事をこなし、そして去って行きます。女性たちとのアバンチュール(あるいは災難)、それに私たちが必要とするほとんど全ての背景画像の場所を探し出す不思議な能力の持ち主として、彼は永遠に記憶される事でしょう。

そして、そう、私です。

- Aura

2012年1月11日水曜日

追憶シリーズ(3):「かたわ少女」の長い歴史:その2




Act1(以下、体験版)をリリースしたとき、主に後の世代の為にプロジェクトの歴史を記すことにした。私はRAITA氏の絵が4chanに投稿されてから体験版が出るまでに起こった全ての事柄を、一つの長い長い記事に書き上げた。それはやりがいのあることのように感じられたし、ブログの記事もその後数え切れないほど言及された。始める前からすでに恐ろしい気分になっているが、これからかたわ少女プロジェクトの物語の後半を語ろう。

では体験版リリース後の、2009年4月30日に戻ってみよう。

体験版のリリースは大反響を引き起こした。私たちの誰もが予想もしていなかったことだったので、その非常に大きな評判と圧倒的に好意的な反応に私たちは虚をつかれた。KSは4chan、あるいは漠然とした関心が生まれるであろういくつかの場所でしか話題にならないと思っていた。だが、それは野火のようにインターネット中に広がった。その後数週間、私たちは反響やその他の経過を追うのに多くの時間を費やし、出来る限りそれらの反応から学ぼうとした。結局のところ、体験版は私たちのアイディアが読者相手ににうまくいくかを見るための試金石だったのだ。私たちはうまくいったことに喜んだ。

リリースの喧騒を乗り越えた後、私たちは仕事に戻った。ゲームを完成させるにはまだかなりの仕事が残っていたのだ。体験版の好意的な反応は私たちの力強い原動力となったが、完成版への期待もまた大きくなった。私たちは絶対に完成版を失望させるものにしたくなかったし、その想いは私たちの内の何人かにストレスを与えた。しかし少なくとも、私たちが正しい道を走っていることは明らかだったので、私たちはただこのまま作業を続けていればよかった。

体験版のリリースから引き起こされた翻訳プロジェクトの氾濫は全く予想していないものだった。人々は体験版を無数の言語に翻訳することを申し出てきた(それらの言語の中には、使う人がほとんどいないものや、話者のほとんどが英語を理解しているものさえあった)。中国語と日本語は最初の主要なプロジェクトで、この二つは私たちが最も密接に関わった翻訳プロジェクトとなった。しかし私たちがこれら全ての翻訳チームを実際に管理/監督できないことは明らかだったので、翻訳版のリリースは私たちが行うという例外を除いて、彼らが自主的かつ自立的に作業をすること、という決定をした。この措置は私の経験では非常にうまくいった。

9月、crudはプロジェクトのアクティブな開発者という立場を退かなくてはいけなかった。華子ルートのスクリプトは完成しており(それは後にほぼ全て書き直したが)、Surikoは様々なプロデューサーとしてのの任務を引き継いだ。それでもこの事態は間が悪いとしか言いようがなく、華子ルートの作業は長い間後回しとなってしまった。私たちは全ルートにかかる重要なゲームスクリプトの書き直しを決めた。その決定の大部分は、野心の高まりと、2007-08年と比べて急激に上達した私たちの技術レベルが原因だった。私たちがより長い時間プロジェクトに打ち込めばプロジェクトはよくなるかもしれないが、その反面、失敗の可能性も増加する。それは周知のリスクだった。5年の間には多くの出来事がチームのメンバー全員に起こったが、私たちは全く予測やコントロールできない様々な困難と戦わなければならなかった。大量の成果物の廃棄は大きなリスクで、私たちは体験版での最終的な書き直しのときと同じく真剣に議論した。

12月、中国語訳が完成し、Act1V2がリリースされた。2009年はとても生産的な上半期と酷く迷走した下半期を経て2010年へと移った。

完成版に必要となる莫大な量の作品を作るアクティブな作家が充分にいるとは言えなかったので、私たちは2010年始めに笑美のCG担当としてPimmyをヘッドハンティングした。実際、当時は圧倒的な量の仕事をこなすには常に人手不足だったかもしれないが、新しい仲間を4LSに迎えると扱い難く、酔っ払いのように邪魔でさえあった。私たちはすでにそういう段階に達していたので、破滅的なことが何も起こらないならば私たちは今いる仲間たちだけでなんとかすることができた。監督者・絵師・作家間での伝達の困難のおかげで多数の問題が生まれ、そのほとんどは数多くの余分な絵を描かなければならなかった絵師に降り掛かった。

体験版がリリースされたほぼ1年後に、日本語訳が完成し、笑美と優子のデザイン変更とともにAct1 V3としてリリースされた。一ヵ月後にはフランス語訳(Act1 v4)も続いた。その夏、crudとSurikoはオーストラリアのアニメコンベンションにおいてKSのパネルを行った。それはとても刺激的で、私たちがそういったことを体験した最初の(そして現在まで唯一の)機会だった。

このころ、4LSのメンバーリストに最後の変更があった。。Mike Inel がアニメーターとして7月に4LSに加わり、Blue123は9月に辞め、、climaticは11月に現役を退いた(二人とも長い間活動していなかったが)。私たちは全ての仕事に辟易し始めていたが、一方で進捗は安定していて、プロジェクト開始以来始めて、私たちは前方にぼんやりとゴールを見ることができた。全体として、2010年夏以降の4LSは恐らく今までで最も精力的だった。私たちは何をやるべきかわかっていて、深刻な手戻りはほとんど無く、進捗のマイルストーンを次々と達成し続けていた。ゲームが完成することに疑いは無かった。それは確実に起こることだった。残った問いは、いつまでかかるのか、そしてどこまでがんばり続けられるか、ということだった。

再び年が変わり、プロジェクトの4回目の記念日。私たちは年内にゲームを出そうと決めた。とても現実的なゴールだったが、結果として4日ほど遅れることになった。

体験版のリリースが二周年を迎えようとしたころ、全ての翻訳プロジェクトが完了した。ハンガリー語、ロシア語、ドイツ語だ。これらの翻訳チームは本当に粘り強かった。私は彼らを賞賛する。彼らの労働の成果たるAct1 v5は体験版最後のバージョンとなった。私たちがまだ完成版をリリースしていないことに不満だったのだろうか、日本語訳チームは各種イベントに参加することに決めた。その中にはコミティアやコミケットのような著名なものもあった。これは本当に冴えてると私たちは考え、会場配布限定のイラスト同人誌でイベントを祝った。

残念なことに私はアクティブな開発者としての立場をしばらく休まなければいけなかったが、徐々にやるべきことは減っていった。秋の狂奔は十二月のβテストで最高潮をむかえ、その勢いは皆を狂ったように作業させた。リリースの日は決定し、私たちを止められるものは何もなかった。完成版はリリースされようとしていた。

新年になり1月4日がやってきた。準備はできていた。5年もの間この日を待った。全てのライトは青く光り、あらゆるタスクは作業済み、正気の沙汰ではない量の仕事、あれだけの血と汗と涙(文字通りこの3つ)の結末が、今起きようとしていた。そしてそれは起きた。

この日まで5年。

長い時間、長い物語だ。ここに書いたことは今まで歩いてきた道の上で起こったことのごく一部だが、ひょっとすると私たちの足跡は道ではなく絵のようなものを描いていたのかもしれない。私たちはこの絵を振り返り、あの熱狂を思い出すことができる。こんなことをした理由(あるいは、同じことを繰り返すべき/繰り返してはいけない理由)を思い起こすことができる。私たちは何か特別なものを作ろうとしたが、本当に特別なのはこれまでに起こった全てのことだ。とはいえ、KSは(願わくは)これからゲームをプレイする人々の記憶に将来にわたって残る一方で、ゲームがリリースされたちょうど同じ瞬間に私たちは最後のゴールに到達したのだ。私たちの目標は達せられた。この物語にはもはや続きはない。

これでこのプロジェクトの物語は終わりだ。全て終わり。ここまで読んでくれてありがとう。

-Aura

2012年1月10日火曜日

追憶シリーズ(2) Mike Inelの数奇な人生


これまで、プロジェクトの公にされた部分とそうでない部分については、細心のバランスと統制がとられてきた。私たちはKSの製作については、オープンかつとても誠実だった。しかし、実際に何をしているのか、具体的に説明することはしてこなかった。外部から茶々を入れられないようにすることで、作業に取り組みやすくなったし、正式リリースまでゲームのコンテンツを秘密にしておくことができた。

そういうわけで、超イカすネタでみんなを本当にビックリさせる思いがけないチャンスを得て、これは完全に秘密にしておくことに決めた。でもこのおかげで、ある一人の4LSメンバーをリリースまで完全に世間の注目から隠すはめになった。大変なことだった。それを説明するために、Mike Inelの物語を語ろうと思う。



すべては一通のメールから始まった……

MikeはKSの一ファンとして、オープニングシーンをアニメ化したいと申し出てきた。青天の霹靂だった。ここで皆さんにも理解しておいてほしいことがある。Act1がリリースされたときから、私たちは何十、ひょっとしたら何百という人々から4LSに加入してKSの制作に参加させてもらえないかと問い合わせを受けた。私たちは誰一人として採用をしなかった。お断りさせてもらった理由の中には、声優関連のフィーチャーを取り入れたくなかったというのもあるが、何よりも私たちはすでに必要な人材をすべて揃えていたし、すでにグループとしてどんどん作業を押し進める状態に入っていた。単純に、これ以上チームの隙間に収まるような人を探して、仕事に慣れてもらう必要などなかったのだ。

しかし、Mikeには私たちの誰にもできないことができた。アニメーションだ。しかも非常に優秀だった。さらにアニメーションをゲームに実装するのは、ただ技術的に組み込めばいいだけの容易なことだった。それで私たちは興味をもった。彼に製作に加わってほしいと思った。ところが、私たちはAct1時代のオープニングがとても気に入っていて、それを差し替えたくはなかったので、アニメーションを入れるもっと適した場所はないかと考えはじめた。エンディングとスタッフロールは悪くないが、一番見映えのいいビジュアル要素を入れる場所とは言えない。ストーリーの一部分をアニメ化するというのも良いアイディアには思えなかった。そこで、各ルートの冒頭に、第二のオープニングという感じで5つの短いアニメーションを挿入することになった。Mikeが最初に提案した内容よりも作業量は多くなったが、それでも彼は喜んで取り組んでくれた。そんなわけで、MikeはAct1のリリース後に4LSに応募して採用された唯一のメンバーとなった。

どうしてそうなったのかを思い出せないが、Mikeは他の4LSメンバーとは異なったやり方で作業をしていた。彼はIRCやフォーラム、メッセンジャーの代わりにメールで私と連絡をとり合い、通常4LS内部で行われるフィードバックと手直しの双方向的な繰り返しが私を通じて行われた。いずれにせよ、こういった方法でのやり取りは誰にとってもよい方向に働いた。私はMikeへのフィードバックをまとめることができたので、Mikeの作業効率も上がった。一方で他の4LSメンバーは、自分に関係のあるアニメーションに関する細かい作業を手掛けるだけでよかった。このやり方が、Mikeが他の4LSメンバーと同じやり方で作業するよりも良かったのかどうかは分からない。(恐らくそんなことはない。少なくとも大して良くはならなかっただろう)でもうまくいったので問題はない。

私たちは当初、アニメーションは長くても15秒程度のものを想定していた。ヒロインたちの物語の導入部を説明するのに良い、視覚的にインパクトのある寸劇のようなものだ。Mikeが作り終えた、最初の静音のアニメーションはおよそ51秒はあった。もちろん素晴らしいものだったが、私はMikeがこれほどのものを5つも作りとおせるかどうか、という強烈な恐れを感じていた。もしできなかったら、作った分もすべてオジャンにしなくてはならず、彼のはたらきも無駄になる。ところが、彼が私の期待を裏切ることはなかった。

あっという間に数ヶ月が過ぎ、私たちは毎日のように絵コンテやスケッチ、構想とアイディアをメールでやり取りし、一段階ずつ作業を進めていった。Mikeの熱意は作業を進めるほどに大きくなっていき、アニメーションも当初みんなが思っていたよりもずっと長く、精巧で、はるかに印象的なものになっていった。当時は各Actのタイトルカードができあがっていなかった。絵師のToDoリストの一番下に書かれていたためだ。私たちは見た目を統一するために、Mikeに描いてもらうのが相応しいだろうと考えたのだけど、彼はすでにこちらの予想を超えた仕事に取り掛かっていた。それでもMikeはこの仕事も請け負ってくれた。

かくして、約13ヶ月もの間に、337通のメールが彼と私の間でやり取りされ、そして開発者フォーラムの中でもっとも長いスレッドでの議論を経て、Mikeは5つのストーリーアニメーションを完成させ、オープニングの手直しと各Actのタイトルカードも完成させた。すべて彼の手によってだ。

全体を見て、アニメーションパートの製作はもっとも順調で、邪魔も入らず、そしてプロジェクトの中でもっとも成功した部分だと感じる。独特のコミュニケーションスタイルと、Mikeのプロフェッショナルな精神、および私たちが学びとった教訓から、自分たちの能力を本当に前向きに感じることができた。概していえば、KSプロジェクトに関するさまざまな事柄は、何年にもわたって積み重なった問題のために足を引っ張られていた。しかし私たち全員がすべて真っ白な状態からはじめたアニメーション製作は、終始円滑に、楽しく進展した。

KSでの仕事のうち、私にとってもっとも良かったのは、一緒に仕事をした人々のことだ。私にとって、4LSは本当に桁外れのものだ。親睦を深め、何年も立ち往生し、同じ目標に向かって進み、さまざまなものを見つけ出し、創作者としてお互いを研磨し、そしてともに楽しみあった、素晴らしい人たちだ。私たちはいつも、たとえ誰もKSを読んでくれないとしても、それでも作ることに価値があるんだと言い続けてきた。今でも同じことが言える。

明日は私が半分も覚えていないだろう、長い長い話の第二章になる。

- Aura

2012年1月9日月曜日

追憶シリーズ(1) 一週間ぶんの思い出

ここ五年の間にいろんなことがあった。良い事、悪いこと、どちらでもない色んな事。プロジェクトも終わったので、今まで公にしなかったことや今までの出来事の振り返り、今自分が感じていることについて書いていこうと思う。形としてはこの一週間、毎日一回の連載になります。


まず最初に、リリースの影響は一言でいってとんでもなかった。反応という反応がなだれ込んできた。フォーラム、メッセージボード、メール、IRC、ブログ、ソーシャルメディア・・・何千というコメント、感想、議論の山。全部を追っていくのは完全に不可能だったし、もらったフィードバックやコメントを全部読めるかは言うまでもない。ほんのごくごく一部に返事するのがやっとだったんだ。全部消化できることなんてありそうにないから、ここで返事に代えさせてもらうよ。

みんなありがとう。コメントを書いてくれた人、フィードバックをくれた人、お礼を言ってくれた人。ありがとう。KSの完成を待っていてくれた人。KSの開発を追いかけてくれた人。ありがとう。このゲームをプレイしてくれた人、このゲームに何かを感じてくれた人。応援と愛を、みんなありがとう。


僕たちスタッフについて。みんな今の流れにただじっと乗ろうとしていると思う。そしてプロジェクトがもう終わってしまったのだという気持ちと折り合いをつけようとしている。
変な気分だよ。何年も何年もあんなに重要視してたことについて何も心配しなくていいなんて。描かないといけない絵がなくて、書かないといけないテキストがなくて、何かを査読したり議論したりする必要もない。
全部終わったんだ。これは一時的な虚しさなのかもしれないけれど。この気持ちのおかげで内省し始める人もいれば、あまり気にせずにそんな段階をささっと通りすぎた人もいる。
また別の目標を設定しようとしてる人もいる。何にせよ、今はみんなとても満足している、と思う。

もう1つコメントしておきたいのが、リリース記事のときに言葉の選び方がよくなかったことだ。僕たちが「解散する」とアナウンスしたことで色んな疑問や混乱を呼んでしまった。
「凍結する」とか「休止する」みたいな言葉のほうがよかったかもしれない。どういう意味かというと、KSの制作が僕たちの始動した目的だったし、僕たちが集まった理由だったし、唯一の目標だった。
その目標を達成して、この先の予定は空になったんだ。ただし、いくつか言えることがある:

1)KSという作品はこれ以上続かないだろう。続編はないし、エクストラディスクはないし、コンテンツパッチもサイドストーリーもスピンオフもない。
僕たちは「KS」はこの1作品、この1プロジェクトだけだったと感じているし、僕たちの気が変わるというのはありそうにないと思う。
2)他のビジュアルノベルを作る予定はない。だけど、今後絶対にないという意味ではない。この先いつか、またこのチームで作るかもしれないし、全員じゃなくても誰かが集まって作るかもしれない。だけど今のところ予定はない。
3)僕たちは行方をくらますというわけじゃないし、KSのサイトが消えるわけでもない。みんな今までどおり僕たちにコンタクトを取ることができる。いつか完全に抜けてしまうメンバーが出るっていうのはありうるけど、今のところ僕たちはまだ同じチームだ。

とにかく、僕たちは解散するわけじゃない。「もう会うことは二度と無いでしょう」なんてわけじゃない。ただ今のところ一緒に作業をする予定がないということだ。

では連載の続きはまた明日。Four Leaf Studiosのとあるメンバーの話になる予定だ。

- Aura

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ダウンロードについて/ミラーのお知らせ

翻訳チームの者です。

完全版のリリースに伴い、ダウンロードサーバーの負荷が高くなっていて、ダウンロードが遅い/エラーが表示されてダウンロードできない/ダウンロードが途中で切れる、といった現象が起きているようです。

可能であればtorrentを使用してダウンロードしてください。回線にもよりますが、非常に高速にダウンロードできます。

直接ダウンロードする際は、ファイルサイズを確認するようにしてください。
Windows版は420.93MBになります。

いくつかミラーがあるので、こちらもご利用ください。


http://www.multiupload.com/REYWZOB11B
http://yukihime.info/%5B4ls%5D_katawa_shoujo_%5Bwindows%5D%5BC3798628%5D.exe
http://download.oversubs.org/[4ls]_katawa_shoujo_[windows][C3798628].exe

2012年1月5日木曜日

重要:Linux版の修正ファイルがあります

重要なお知らせ:Linux版のゲーム起動用スクリプトに問題があることがわかりました。コマンドラインから実行された場合、本来権限の変更が必要ないファイルの権限を変更する可能性があります。ダウンロード用パッケージ(前の記事参照)の置き換えが済むまでは、こちらのファイル(http://dl.katawa-shoujo.com/gold/Katawa%20Shoujo.sh)を個別にダウンロードして置き換えてください。

更新: torrentからダウンロードできるファイルは差し替え済みです。すでにLinux版をダウンロードした方は、上記の修正ファイルを使用してください。これからダウンロードされる方は、リリース記事中のダウンロードリンクからダウンロードしてください。(修正ファイルを使う必要はありません。)

2012年1月4日水曜日

かたわ少女完全版 リリースのお知らせ



5年間にわたる開発を終え、かたわ少女がついに完成しました。

ダウンロードリンク:

Torrent: Windows | Mac OS X | Linux x86

直接ダウンロード: Windows | Mac OS X | Linux x86

18歳未満の方はこのソフトをダウンロードしてはいけません。


Four Leaf Studios、かたわ少女完全版をリリース

インターネット発、2012年1月4日 - 本日、Four Leaf Studiosはかたわ少女 完全版を無償にてリリースいたします。世界各国から集まった21人の開発者が、イラスト・音楽・シナリオ・プログラム・そして演出に関わってきました。現在に至るまで、数えきれないほど多くの人々が開発に協力してくれたことは言うまでもありません。これまでの5年間は長い道のりでしたが、ついにその日がやって来ました。

かたわ少女は、現代日本にある架空の学校である山久学園 - 障害をもつ生徒のための特別な学校を舞台にしたビジュアルノベルです。普通の人生を送ってきた普通の青年、中井久夫は、先天性の心臓病のために長期の入院生活と転校を強いられます。生活が一変し、困難に直面しつつも、久夫は新たな友達を見つけます - そして選択次第では、新たな恋人も。ゲーム中では5人のヒロインに対応する5つのメインルートが用意されています。それぞれのルートで、ヒロインごとの物語が繰り広げられます。ストーリーは主人公の視点から一人称で語られます。ゲーム画面はテキストと立ち絵、アドベンチャーゲーム風のテキストボックスという、伝統的なビジュアルノベルの形式を採用しています。

かたわ少女の成り立ちは古く、その起源は10年以上前にさかのぼります。2000年12月、RAITA氏が主催するサークル絶対少女より、Schuppen Harnischeという同人誌が発行されました。この本のおまけページには、日本の高校が舞台の、身体障害をテーマにしたゲームに関するスケッチが掲載されていました。後の出来事がなければ、このイラストはそのまま埋もれていたことでしょう。しかし2007年の1月に、このイラストが掲載されたスレッドが4chan掲示板のアニメ板に固定されてから、このアイディアが好奇心に火をつけ、実際にイラスト通りのゲームを作ってみようという動きが生まれました。数ヵ月の協議を経ても目立った成果は出ず、同年4月にコア開発チームが集合してFour Leaf Studiosを結成しました。このとき、かたわ少女は初めて完成に至る道を歩み始めたのです。

Four Leaf Studiosはかたわ少女開発という唯一の目的のために、世界中から集まった21人の開発者のボランティアグループです。出身国、職業、そして背景は様々ですが、Four Leaf Studiosはかたわ少女を完全に無償のゲームとして提供すべく、開発に尽力してきました。このプロジェクトには金銭は一切関わっていません。

ここでFour Leaf Studiosの物語は終わりを告げます。一つの集団として、私たちが新たなゲームを作成することはありません。しかし私たち自身の物語が終わったとしても、新たな物語が今、皆さんを待っています。それを産み出すために、Four Leaf Studiosは存在し続けてきたのです。

かたわ少女を楽しんでいただければ幸いです。

Four Leaf Studiosへのご連絡先:
    Email: fourleafstudios@gmail.com
    WWW: http://katawa-shoujo.com/
    IRC: irc://irc.irchhighway.net/#katawa-shoujo



日本語訳チームより、今後の対応とメンバー募集のお知らせ

今回リリースされる「かたわ少女完全版」は英語のみでの提供となります。日本語への翻訳は、完全版のリリース後に当チームが担当します。翻訳にあたっては開発者の許諾をいただいています。
(他の言語についても同様に、各言語の翻訳チームが作業を行います。)

完全版の分量は体験版の5倍以上に及ぶとのことです。日本語訳チームには体験版から引き続き数人のメンバーが参加しますが、翻訳完了までは相応の時間を要すると見込んでいます。

つきましては、翻訳に関わる作業を手伝っていただけるボランティアの方を追加で募集いたします。詳細については別記事にてお知らせします。
日本語版作成にあたってはさまざまな作業があります。英語の知識は必ずしも必要ではありません。関心のある方は続報をお待ちいただくか、本記事へのコメントやメールにてお知らせいただければ幸いです。

よろしくお願いいたします。

日本語訳チームへのご連絡先:
Email: ksjpproject@gmail.com
Blog: http://katawashoujo-ja.blogspot.com/

コミックマーケット81参加報告

翻訳チームのものです。

新年明けましておめでとうございます。少し遅くなりましたが、冬コミ参加についてレポートします。


当日は多数の方のご来訪をいただきました。ありがとうございます。

開場直後はまったりとしていましたが、30分くらい後から既刊/新刊を即買いされる方が続々と現れました。
おかげさまで既刊「夏の欠片」は完売となり、新刊「冬至 - Midwinter」も順調な売れ行きでした。
前回に比べると、外国人の方がかなり多く来ていたように思います。売り子をしながら感慨深い思いでした。

お隣りのスペースがタイの同人誌を扱っている「さばーい出版」さんということもあり、このスペースの周囲だけとても国際色豊かな雰囲気が感じられました。


今後の予定ですが、4月のCOMIC1、5月のコミティアに参加を考えております。冬の新刊を持って行く予定です。(2月のコミティアは申し込み締め切りを過ぎていたため断念しました。すみません……)


また販売時にも掲示をしていましたが、今回の新刊「冬至 - Midwinter」は3月頃にPDF版の公開を予定しています。今後も遠地や海外の方にも中身を参照できるようにしていきたいと考えています。


当日のスペースの様子はこちらです。