2012年4月11日水曜日

TWINFINITE かたわ少女インタビュー記事

ゲームレビューサイトTWINFINITEに掲載された、かたわ少女開発者へのインタビュー記事を翻訳しました。
元記事のリンクはこちらです。

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2012/1/11 Four Leaf Studio インタビュー

様々な障がいを負ったヒロイン少女達との恋愛を目指すという興味深い前提を持つビジュアルノベルの為に、献身的な有志達のグループが5年の歳月を費やして懸命に作業を行ってきた。4Chan発祥のこのゲームは人々の興味を引き、またいくつもの疑問の声が生まれてきた。私自身もこのゲームに関しての質問をいくつか抱いていた。

体験版の発表から今まで見守り続けたこのゲームに改めて衝撃を受けた私は、この質問をぶつける為にコンタクトを取らずにはいられなかった。

開発陣のメンバーは彼らの仕事と進捗に関しての情報を快く公開してくれているので、もし読者諸氏もさらなる質問があったら、ぜひ彼らのフォーラムにある質問スレッドを確認してみるといいだろう。

Twinfinite「まずは自己紹介から始めて頂けますか? お名前とFour Leaf Studioでの立場をお願いします。」

Aura「私はAura、4LSではメインライターと琳ルートのシナリオライターをしていた者です」 「この製作プロジェクトはどのように始まったのですか?」 「2009年までの詳細な歴史ならばここで読む事が出来るよ。」

「それを読んでいると自然に『なぜ?』という疑問が思い浮かびます。アイディアの元となった絵ならば誰もが見る事が出来ますが、そこから実際にシナリオを書き、ゲームを製作していくという困難な作業を請け負おうとしたその原動力とは一体なんでしょうか?」

「そもそも、人々が何かをしようとする理由は何だと思う?(人々が何かをしようとするのに立派な理由なんて要るかい?)私たちは表現の形式としてのビジュアルノベルが好きだし、自らがそれに携わろうとする事は大きな魅力のひとつだね。それ以外には、何と言ったら良いか分からないんだ。私たちは想像力が豊かで、行動を起こして自ら試練に飛び込み、新たな事を学び成長していく事が好きなんだ。そしてこの製作プロジェクトはそんな私たちにとってとても良い機会だったよ」

「絵師、ライター、プログラマー達はどのように集められたのですか?」

「彼らはみなボランティアだった。まずこういった物を作るのに興味があり、適切な技能を持ち、長期に渡って活動が出来た人達が自らの判断でこの開発チームに参加したんだ。私には非常に進化論的な工程だったと思えるよ。後にメンバーの追加募集をかけたときは、ごく普通に申し込みを通して行ったけどね」

「チームの目標が決まった後、そこに至るまでの道筋というのはどのように決まりましたか? 作業分担、計画、ゲームのディレクションを世界中から集まった人々が行うことについて、聞かせていただけますか?」

「このプロジェクトの現状によって規定されて行った部分もあれば、日課作業を最も効率的に行おうとする私たちが自然に行き着いた部分もあるかな。グループ内では序列がほとんど無く、作業内容のほとんどがが各自ばらばらに分散されていて、共同で何度も見直しながら改善させていくと言った方法は、私たちが作業を行いながら確立していったけど、これは私たちにとってぴったりだったからこそ続けてこれたんだと思うよ。一方で、たとえばシナリオ全体を5人のメンバーに割り振って、それぞれが一人のヒロインを担当して、主にそのキャラのルートを執筆するという手法はプロジェクト開始当初から採用していたんだ。これは単に、そのほうがライターが集中しやすいだろうと考えたからだ。」

「こうした質問の多くは、貴方達のウェブサイト内にあるメンバー紹介ページなどで答えが示されていますが、このゲームが文字通りインターネット上に漂う無数の想像から生まれ出でたと言う事がまだイメージしづらいです。いくつもの視点からの数百の意見、数千のアイディア。強いて言えば、それを生み出した全ての人々がこのプロジェクトに献身した証と言えるでしょうか」

「インターネット上では、かたわ少女のようなプロジェクトやそのアイディアが、毎日何十も生み出されてくる。けれど、その中で日の目を見る事が出来るのはほんの一握りでしかない。私たちはその点幸運だったと言えるかもしれないが、その為に辛抱強く続けてきた結果でもあると思うよ」

「このような長期間に渡り開発を熱心に進めてきた中で、集中力を保ち続けると言うのはどのようなものでしたか? また、乗り越えてきた課題の中で最大のものは何だったでしょうか?」

「勿論、長い間集中力とやる気を高く保ち続けるのは大変だった。同様に、世界中に点在する20名前後の人達と連絡を充分に取り合い、彼らの都合に合わせて計画を進めていく事も非常に大変だった。過程の中でつまずく事なんて、それこそ無数にあったよ。だけど、私たちは決して諦めなかった」

「開発メンバー達のInfluence Chart(影響図)をすでに見ているので『ゲーム作成中にあなたに影響を与えたものは何ですか?』と聞くつもりはありませんが、その代わりに、それらの顕著な影響がどのようにゲーム内容に組み入れられたのかを伺いたいと思います」

「大体の場合が全体的に影響を及ぼしているか微細にしか及ぼしていないので、ライターと絵師のスタイルからそれらの影響を判別するの事は正直不可能に等しいと私は思うよ。ただ、例外と言ってもいいのは甘露樹氏の絵画だろう。それらは(勿論慎重に考慮された結果だが)かたわ少女の映像に強く影響を及ぼしている。また、ゲームの最初の部分はビジュアルノベルのナルキッソスの雰囲気を多少は反映してるかな」

「元々はおまけのページだったものからアイディアとゲームの初期設計が生み出されましたが、あなたや他のチームメンバーをこの開発に引き込んだ個人的な理由とは何だったと思いますか?」

「私にとっては、共同作業を行うという考えと、VNという媒体に関わることに対する魅力かな」

「障がいを持つ少女達との恋愛ゲームを作成するという事実が判明した時、チームのメンバーは何かしら過激な反発があるだろうと心配はしませんでしたか?」

「いいや、あまり心配は無かったよ。こういったネタがこの世で一番おかしいとは言いがたいしね・・・アニメや漫画などのサブカルチャーの中では特にだけれど。もちろんかたわ少女はその主題自体に関して否定的なコメントを受ける事もあるけど、そんな事は私たちは気にしていないよ」

「単なる絵でしかなかったキャラクターを肉付けし、障がい者のための学校という状況を描く・・・その様な事をライター達はどのように遂行していったのでしょうか?」

「それはもう、行動あるのみって奴だね。長時間の話し合い、アイディアの精錬、熟考、ブレインストーミング、調査、その他諸々。大抵の場合、ライター達は各自でアイディアをひねり出して作業を進め、その後他のメンバーに提示して相談し、それをボツにするか、さらに改善を重ねるかが決まるという流れだったよ」

「このプロジェクトを始めた時、あなたの目標は何でしたか? 『素晴らしいゲームを作り上げる事』と言う単純な答えになるかもしれませんが、ではその素晴らしいというのはどのようなものですか?」

「ただ、ゲームを作りたかったんだ。それ以上でもそれ以下でもないし、今までにそれ以外の理由があったことも無い。確かに、私たちは大志を抱いていたし、自分たち自身に高い目標を課していた。けれど、やはりゲームを完成させる事がこのプロジェクトの中で唯一にして無二の目標だった」

「こうしてゲームが完成し全てが終わった今、開発チームのメンバーはどのように感じていますか?」

「幸せさ、言うまでも無く。でも同時に少し物足りない気もしてる。以前と比べストレスを感じる事はほとんど無い。5年と言う歳月をかけた仕事が完成した事を考えると信じられない気持ちにもなるね。それに慣れるまで、しばらく時間が掛かるんじゃないかな」

「ファン達からの反応は好意的なものが圧倒的多数を占めていたようですが、あなた達はそういった祝福の声を受けてどのように感じていますか?」

「感じた全てを説明するには多すぎる反応だし、実際の所私たちはそれに圧倒されていたよ。でもまぁ、私たちの苦労の末に実った果実が多くの人に反響を呼んでいるのを見るととても嬉しく思う」

「私自身、全ての話を(個人的には静音と琳のルートを特に)楽しませてもらいましたが、開発チームのお気に入りキャラは誰でしょうか? ぜひお聞きしたいです」

「琳は開発チームでとっても人気があったかな。きっと彼女が私たちの中では一番だと思うよ」

2012年4月2日月曜日

【告知】コミティア100に参加します

翻訳チームのものです。

5/5開催のコミティア100に参加が決定しましたのでお知らせします。

スペース番号は「た16b」です。冬コミ刊の「冬至〜Midwinter」を持参する予定です。

夏コミには申し込んでいないため、これ以後はイベント参加の予定がありません。
まだお持ちでない方はぜひこの機会をご利用ください。

2012年4月1日日曜日

かたわ少女HD版 再リリース!


いやあ、時がたつのは早いものですね。もうKSのリリースから4ヶ月ですよ。つい先週だったような気分です。みなさんご存知のとおり、あの余波で私たちもずいぶん疲れてしまったので、ちょっと先に進んで行こうと思ったのです。

ところが私たちは引っかかってしまいました。信じられないくらいクールなファンのみなさん(そう、あなたです)からのご意見に耳を傾け、それを実現したいと思いました。なので、もっとも要望の多かったもの、そしてより重要なことですが実現可能なもののリストを精査し、2つのリクエストを実現しました。新たに改善されたかたわ少女をお楽しみください!

こちらからダウンロードできます。

再リリースなので、下記の点以外にゲーム内容の変更はありません。

高解像度化
正直に言いましょう。2012年に800x600という解像度ではお話になりません。というわけで、栄えある1080p解像度のKSをお楽しみください。

好ましくないコンテンツの除去
「不適切」と解釈されうる内容をすべて除去しました。それだけです。これで間違いなくみんな満足するでしょう。

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注:
起動直後に4LSのロゴ動画が流れず、画面がブラックアウトする場合があるようです。
その場合、以下の手順をお試しください。

1. アプリ起動後、Shift+Gを押し続ける。
2. ビデオアクセラレーションの選択ウィンドウが表示されるので、異なる設定(OpenGL2.0以上, DirectX, OpenGL1.x, ソフトウェア)を選択してQuitボタンを押す。
3. アプリを再起動する。

うまく行かない場合は各種設定を試してみてください。ソフトウェアであれば、ほぼ環境を選ばず動作すると思われます。

参考:http://www.renpy.org/doc/html/display_problems.html