2010年8月29日日曜日

Manifestパネルの書き起こし

うちのIRCにいるLawlsがManifestでのかたわ少女パネルの書き起こしを書いてくれたので、私(Suriko)が手を入れた。長い長い長い時間の後、ようやく終わった。

注:フォーラムに載せてあります。ここに投稿するにはあまりに長すぎるので。

(訳注:書き起こしの日本語訳は現在準備中です。しばらくお待ちください。)

若きClimaticの悩み

Act 1のリリース以後、私たちはKSに新しい種類のビジュアルを追加した。「カットインCG」と呼ばれるものだ。これは簡単に言うと立ち絵と一枚絵の中間にあるもので、完全な一枚のCGではないが、背景プラス立ち絵というシステムの範疇にもないものだ。絵描き達はこういう小さくてはっきりした絵を描くのを楽しんでいる。それと、スクリプト中に何か関心を引くような物体が指定されていたり、「二人の人物が話し合っている」以外の状況が起きたときに、その辺に適当に挿入するのに便利だったりする。

しかし、こうした小さくて味のある絵にはマイナス面もある。単にカットインCGにできるからといって、それを必ず描かなくてはいけないわけじゃない。時には、カットインCGがスクリプトやディレクションと噛み合わなくなることもある。時には蛇足に過ぎることもある。そして……その絵を描くこと自体が、予想を超えた難行になることもありうる。絵描きにとってはいい息抜きになるはずだったのに、まさに正反対の結果になってしまうのだ。そんな例として、ある日SurikoがclimaticにカットインCGを依頼したときの悲惨な物語をお送りする。華子がリリー相手にチェスを指す一場面の中で、deltaがスクリプトに「チェス盤の絵があるといいかも」と注を入れていたので、Surikoはclimaticにそのように伝えた。

「二人が使っているチェス盤には、一つ一つのマスの中央に穴が空いていることに気付く。駒の底にはピンが立っていて、黒いマスは少し高さがつけられている。」

これはゲームのスクリプト中にある説明だ。山久学園なら見かけるであろう、目の見えない人にもプレイしやすいようになっているチェス盤だ。Climaticは「ああわかった、じゃあ描く」と、この一年でもっとも後悔することになる答えを返して作業にかかる。これは見た目よりも簡単ではない作業だということが明らかになった。というか、実際にはとてもややこしいことが判明した。climatic自身の水準を満たすチェス盤を描くのに必要な労力は「巨大」か、あるいは「途方もない」とさえ言えた。まず、climaticはチェス盤を手早く3Dでモデリングした。彼が描き始めた角度では、高くなっているマスを描くのが難しいためだ。

<climatic> asdfasdga
<climatic> agfakfhgadrgra

ところが色塗りの段階に入ると、高くなっているマスの一つ一つを結局個別に塗らなくてはいけないのだった。モデルを作ったことが役に立ったといっても、これは耐え難いほどに細かく、疲れる作業だった。

<climatic> あああああああ

チェス盤が完成した後は、駒のセットが必要だ。12種類の異なる駒を32個、それぞれ個別に描かなくてはいけない。そして今度は、一つ一つの駒と、高くなっているマスも(それぞれ個別に)光源処理をしなくてはいけないのだった。それと影付けも。そう、個別に。

<climatic> 終わりがみえねー
<climatic> このクソCG
<climatic> askdjkj

合計すると、このチェス盤を完成させるのにほぼ3ヶ月かかった。(最大の理由は圧倒的なやる気の欠如だけど。無理もない。)そして完成した理由も、climaticがあまりにイライラした末に製作を拒否したからに過ぎない。

<climatic> くっそ
<climatic> ahsdd
<climatic> adsnkljlgf
<climatic> もうしらね

幸いチェス盤そのものはもう十分出来上がっていたので、moekkiが迅速に効果レイヤーを加えて仕上げ、ゲームに挿入できるようになった。ところが! ここに来ていくつか致命的な連絡ミスがあって、climaticに伝わった情報が不十分だったことが発覚した。実はその間に、deltaがカットインが不要になるようにそのシーンへのディレクションをしていたのに、リクエストそのものを取り消していなかったのだ。また、チェス盤の絵が説明に沿っていない(穴が描かれていない)だけでなく、すでにゲーム中に追加されている同じチェス盤の絵と大幅に食い違っていた。つまりclimaticはゲーム中の説明と一致しない、別のチェス盤の絵とも噛み合わない絵を描くのに3ヶ月も費やしたというわけだ。しかもゲームそのものにも入らない。ゲーム中のファイルのディレクションに一言でも口を出す前に、関係する人間に何度でも念を押して確認すること。皆さんにもこの教訓が伝わることを願う。

<climatic> 俺の人生の数時間を無駄にしてくれてありがとうSuriko
<climatic> オーブンに頭突っ込んでくる

心配ご無用! climaticのカットインCGと違和感が出ないように、Moekkiが二つ目のチェス盤の絵を手直しした。(彼女はセーブするのを忘れるタイプなので、2回もやり直す羽目になった)そしてweeeがカットインに穴を描き加えて、deltaが諸々の要素がちゃんと整合するようにシーンのディレクションを調整した。

この血と汗と涙の結末は?




おお! 全ての労力が10倍になって返ってきた。ゲーム中には他にも山ほどカットインCGがある。たとえば久夫が学園祭でゲットして静音に渡した、このかわいらしいぬいぐるみ……(私は茄子猫と呼んでいる)



……またはこの謎の箱!




……ブログに描くようなネタが何もなければ、開発はいつも順調に進むんだろう。

2010年8月24日火曜日

Manifestでのかたわ少女パネル(音声もあるよ!)





もうみんな知ってると思うけど、Surikoと私がCemex氏の招待を受けてManifestアニメコンベンションに参加し、パネルディスカッションを開催してきた。

白状すると、それ以前のセッションを見る限りでは、大して期待できそうにないと思っていた。KSがニッチ中のニッチ中のニッチであることを考えると、参加者は3人くらいしかいないだろうなと予想していた。

なのでSurikoと私で準備をしている間に、パネル会場の部屋に人がなだれ込んで来たときは、ちょっと驚いた。(Suriko注:9割以上の人がKSをすでに知っていたと言うことにはもっと驚いた。)

暴露話:ぶっちゃけSurikoも私もパネルに向けてわざわざ練習とかしていなかった。まあ少なくとも私は。(Suriko注:俺もしてない。)ありがたいことに、参加してくれた人の半分以上は私の話に最初から付いてきてくれたので、やりやすかった。

パネルの詳しい内容にはあまり触れないでおく。その辺は全部、冷たくて固いMP3でエンコードされた1と0に収まっているので。ただ少しばかり補足したいと思う。

まず、招待と世話をしてくれたManifestにお礼を申し上げます。彼らはわざわざ今回のプレゼンテーションをオーストラリア検閲委員会に通してくれた。(たぶん中国を除けば世界一厳しい)私たちは"MA"(15歳以上)とレーティングされたけど、あとで「かなりおとなしめ」だったと言われた。すげえ。

観客の多さにはとても勇気づけられた。マジで。みんなありがとう。たくさん発言してくれる人が何人かいたのと、誰も寝なかったのはよかった。ゲームについて「ミーシャの障害って何?」というよりももう少し深い質問がいくつかあったのには驚かされた。(その質問には答えを用意してたけどね)

ゲームのディスクが欲しいと言ってくれた人には、来週送るようにします。私たちにサムアップしてくれた皆さんもありがとう。

いろいろあったけど、終わってみれば楽しかった。実際にみんなと会うことで少し元気が出たし、録音を聞いている他の開発メンバーも元気が出る(&楽しむ)ことだろう。そしてこれをオンラインで聞くであろう皆さんに、私たちがどうやって作業をしているのか多少なりとも伝われば幸いだ。(もしこれまでのブログ記事でもまだ足りなかったなら、だけど)

録音はこの記事中でも聞けるし、iPodなりなんなりにダウンロードすることもできる。

プレゼンテーションはこちら。Powerpoint2007形式なので、ご了承のほど。(Office2007を持っていない場合は、無料のPowerpointビューア2007をマイクロソフトのサイトからダウンロードできる。)

- Crud (と Suriko)

(訳注:録音の翻訳を現在準備中です。もうしばらくお待ちください。)

2010年8月22日日曜日

かたわ少女 Manifestトレーラー: Spin



オーストラリアはメルボルンで開催されたManifestアニメコンベンションで、CrudとSurikoがKSパネルを開いた。第一印象は「まあ良かったんじゃない?」だって。グッジョブ! このカッコいいトレーラーもパネルで上映したものだ。パネルのレポと一緒に、音声録音もあとで公開する予定だ。 どうぞご覧あれ。

2010年8月8日日曜日

いったい私たちは何を作っているのか?


昨日のことだ。誰が最初に言い出したのか忘れたけど、開発IRCチャンネルで没入感という厄介な問題について議論をしていたら、何がビジュアルノベルに分類されるのか、というもっと大きな議論になっていた。きっかけはお決まりの話題--いったいビジュアルノベルの何がいけないのか、というか、どうしてVNはポップカルチャーとして大流行できないのか、だった。(ネタバレ:VNがポップカルチャーとして大流行することはあり得ないだろう)

問題は、ビジュアルノベルはゲームであることとノベルであることの中間に引っかかっているように見えることだ。VN界隈の進展にまつわる議論をいくつか見ていると(要は某Novelstreamについての意見だけど、私はコメントする気はない)、開発者志望の連中が「VNができること」のリストを並べ立てている一方で、彼らが言っているものはVNというよりむしろRPGに近い、ということに気付いていない。おめでてーな。思うに、VNの定義というものが存在しないのが問題(の一部)なのだろう。じゃあそいつを定義してみようじゃないか。

The Hivemindの定義するビジュアルノベルとは:スタンドアロン形式の電子書籍(つまりインターネットはいらないって事だ)で、テキストと立ち絵、写真またはアニメーションを組み合わせて物語を表現する、という特徴を持つ。(つまり、ビジュアル要素とテキストが結びついた物語)。

この定義はかなり幅が広いし、物語が表現される形式にも解釈の余地が大きい。これを狭めてしまうと、革新的な工夫の余地が犠牲になる。先入観も混じってしまうだろう。さっき「インターネットはいらない」と書かざるを得なかったのは、webベースのVNがすでに存在するけど、それがVNの全てではないからだ。物語に対して読者がコントロールを及ぼすことについて、私が全く言及していないことに気付いた人もいるかも知れない。そのコントロールもVNにとって必須なものではないからだ。この形式の核心であるたった二つの要素は、名前そのものに表れている。ビジュアル要素とテキスト要素がなくてはいけない。ゲーム要素を加えると、それはビジュアルノベルではない、別の何かになる。あるいは電子文学の異なる一形態かも知れない。

こうして定義をしているけど、電子文学という言葉も定義しないといけないだろう。ここはズルをして、どこかの学問的な定義を借りることにする。(そっちでは「デジタル・フィクション」と呼んでいるけど、電子文学でも意味は通るので、こっちを使っている)「コンピュータの画面上で読まれることを想定して書かれている、電子的媒体を通じて言語的・散文的・概念的な複雑さを追求しており、他の媒体に移された場合、その審美的・記号的効用の一部が失われるようなフィクション」 ビジュアルノベルであれば立ち絵の動きや音楽が失われたりするだろう。作品によっては挿絵付きの本として作られても何も失われないだろうけど。失われるものもある、という事実だけで十分だ。

というわけで、定義の話はこれでいいとして、もう少し深く掘り下げてみよう。かたわ少女のようなものを読んだときに何が起きるのか、検証してみよう。

ここで目にするものは何か? KSは一人称の物語だ。それだけじゃなく、読者はCYOA(訳注:Choose your own adventure/日本で言うゲームブック)みたいに、様々な状況に久夫がどう反応するか選ぶことができる。(誰かアポロ13号のゲームブック、覚えてる?)これによってKSは「ゲーム」となるのか? 繰り返しだが、これも定義の問題だ。普通、ゲームには「勝ち」と定義される何かを達成するための条件がある。プレイヤーはゲームが設定した条件の下で行動しながら、勝利を達成する。KSにはそういう勝利条件は存在しない。「幸せ」なエンディングもあるし、「悲しい」エンディングもあるが、私たちはそのうち一つを「正しい」エンディングと定義するようなことはしていない。久夫は女の子とゴールインしたりしなかったりする。「悲しい」エンディングはゲームブックにおけるバッドエンド以上のものじゃない。そうなったら前に戻って別の選択をして、先に進むだけだ。ただ、一人称の叙述と、一部とはいえ久夫の反応を選べることが組み合わさって、かたわ少女の読者は自分が久夫であるという感覚をより強く覚えるだろう。(climaticはこれを「俺ってマジで○○みたいだぜ」効果と呼んでいる)この特徴は、かたわ少女を恋愛シミュレーションとして成立させるものではない。特にゲーム内のルールに従って何か努力をする必要はなくて、私たち開発者が決めた、悲しいエンディングではなくハッピーエンドに至るようなストーリーの分岐を選ぶだけでいいからだ。

というわけで、VNはゲームではない--自分からVNとして売り込んでいるようなものは、実際にはビジュアルノベルではないか、事実を曲げていると言うことだ。さらに、(こんな事は当たり前すぎるけど)VNは恋愛を題材にしなきゃいけない、なんてことは全くない。VNはゲームよりも物語に重点を置いた電子的な文芸作品だ。ゲームに重点を置いた作品の例を挙げると、Mass Effectがそうだろう。これも分岐する物語で(これも単純化しすぎた表現だけど、これ以上深く説明するともっと長くなってしまう)、プレイヤーはスキルに基づいて様々な障害を乗り越えていく必要がある。(また、全てのキャラ成長や装備の選択は物語に影響しないが、スキルによって障害をクリアする際の難易度には影響する。)個人的にはもっと三人称のVNや、いくらかロマンチックでないVNを見てみたい。VNを現状に押しとどめているものは、(VNはゲームだという、誤った頭の固いこだわりを除くと)物語に対する実験性の欠如だ。私たちはいまだにもがき続けている--そして、私は恋愛とアニメ的お約束に寄りかかりすぎた派生的VNのどうしようもないリストとKSを一緒くたにまとめている。(私たちはこれを避けるために非常に苦心した。だけど元の設定そのものがあまりにもコテコテなので、オリジナルなものを作り出せる可能性は最初からつぶされていた。)

まだそんなVNが存在していない、と言っているわけじゃない。思いつくだけでも2,3は挙げられるし、皆さんならもっと多くの作品を挙げることができるだろう。でも確実に、それは典型的なVNとは思えない。そうなるまでは、VNは時々関心を集めるだけで、その形式を上手く活用する物語に覆い隠されてしまう、そんな運命にある。VNの強みは、複雑な物語を印象的な美術と融合しながら伝えることができる点にある。残念なことに、このフォーマットにはあまりにも多くの面倒ごとを引きずっているので、その根っこからきれいに決別して、別の何かへと変化することでしか生き延びることはできない。「電子小説(electronic novel)」という言葉には、格別な響きがあると思わないか?

--The Hivemind

2010年8月1日日曜日

ある一日


今回は前のブログ記事の続きみたいなものだ。ある一日のKS開発を記録して、それをブログ記事にしてみることにする。各種チャネル上でのやりとりの経過を、一つの時系列にまとめてみた。(見やすいように、チャネルごとに色づけしてある)すべての時間は私の現地時間で、2010年8月1日の午前0時から午後11時59分までを記録している。

0:00am: 日付が変わる。今日から8月だ!
0:12am IRC: deltaがシーンL20のディレクションで問題にぶつかる。これはCG1枚("ltrni.png")で表現されるはずのシーンだが、今使える画像の中にはこのシーンにふさわしいものがまったくない。(動きのない画像で処理するには会話が多すぎるため)状況はどうしようもなく行き詰まっていて、deltaは誰もこの問題を予測していなかったことにいらだっている。私が彼と対策について軽く話をしていると、その最中にIRCに入ってきたSilentcookが話に加わる。3つの選択肢が上がる。もっと絵を描いてもらうか、会話部分を別のシーンに移すか、deltaが立ち絵を使ってディレクションができるように背景を新しく作るか。SilentcookがCGの下絵を彼の友人に頼むという第4の案を出すが、極めてKSらしくない対応であることから多分採用されないだろう、ということで却下される。結局第1の案プラス多少の手作業という、アドリブに富んだ結論となった。
0:46am SVN: deltaによるKatawa Shoujo リビジョン2100。deltaが"ltrni.png"に手を入れ、同じ絵の昼間のバージョンとよりマッチするようにする。一つ前の問題への対策の一部。
0:49am IRC: deltaがリリールートAct 3の素材の状況に満足していると表明し、Climaticに彼が描くはずのCGを完成させるよう急かす。Cliematicは、その絵のことならdeltaはすでに承認したと主張する。(deltaはしていないという)私たちはもう2ヶ月半も描きかけのあるCGについて笑いあい、議論は素材の状況についての一般的な話題に移る。笑美ルートについては渋い顔をしっぱなしだ。(ちょっと問題だな)
0:56am IRC: deltaの窮状を把握するためにシーンL20のスクリプトを読み進めていると、deltaがいくつかの単語の使い方を取り上げ、異議を申し立てる。( 実生活で「変態("perverted")」なんて言い方するか?).
1:05am IRC: [禁則事項]について、一通りフィードバックを聞いて回る。もうすぐ完成するのと、その興味深い成り立ち上、完成したと承認された後に誰かが致命的なミスに気付く、ということが起きないようにするのが非常に重要なためだ。deltaとclimaticがフィードバックを提出し、私はそれを確認する。
1:20am IRC: 私は物書きの気質を持つ人間であるので、deltaがさっき指摘した「倒錯した」という単語の使い方が引っかかっていた。それで一般的な言葉の選択の事例、特に引っかかりやすくて、アニメというサブカルに首まで浸かっている人種には一発でわかるようなフレーズの使い方について議論を始める。チャンネルでアクティブな4人全員が参加する。deltaは彼が言うところの「アニメ主義(animeism)」は除去する方針を強く支持している。climaticはどちらかと言えば賛成し、それはファンへの迎合だと考えている。(Silentcookが、描く側より読む側の方がそれで満足している、と指摘したのに対し)私は正直決められない。( 俺の中のアーティストは全部ぶっ壊しちまえと言っている。でもそれが楽しいという人がいるならそれは良いことだと思う。)私がKSで書いた中で一番出来のいい文は私が2年と4ヶ月前に書いた文だ、とみんなが言ってくるので、私は鬱になって寝る。ディレクションに忙しいdeltaと、編集をしているSilentcookは放置。
2:31am SVN: deltaによるKatawa Shoujo リビジョン2101: この2時間でmoekkiが"ltrni.png"の改良版をいくつか描いたので、deltaがこの修正と、彼の手元にあったリリールート向けのHCGのバリエーション11枚をアップロードする。

2:32am IRC: Surikoがログイン。絵描きの女子達に乗せられたのが見え見えだが、うちのサーバにお絵かきアプリをインストールできないかとdeltaに尋ねる。deltaは氏ねと返して一切の関わり合いを拒否し、続いて大体どうしてお絵かきアプリなんてものが必要なのか、と問い返す。少々ネガティブな回答にひるむことなく、Suriko自らインストールを行う。
3:44am SVN: SilentcookによるKatawa Shoujo リビジョン2102: SCがシーンR18を編集したので、他の編集者と私が見られるように変更分をアップロードする。
4:12am IRC: deltaが"ltrni.png"のサイズの大きさに恐れおののき、もっとマシなサイズに圧縮したいと考える。それとSurikoに、彼が書いた2行のテキストがスクリプトを追加すると意味をなさなくなるので、とにかく削除せよと伝える。
4:37am SVN: deltaによるKatawa Shoujo リビジョン 2103 : deltaがシーンL20にディレクションを行い、関連する"ltrni.png"のイベントCGバリエーションも合わせて、全員が確認できるようアップロードする。シーンに対するディレクションの完了はかなり大きな出来事である。これによりシーンそのものが確定するためだ。ここでdeltaがコミットしたものが、完成したゲームにそのまま反映される可能性は非常に高い。
4:40am IRC: IRCでアクティブな開発者達が、シーンL20のディレクションにコメントを付ける。
4:42am SVN: deltaによるKatawa Shoujo リビジョン 2104 : deltaがpngcrushで圧縮したシーンL20用の"ltrni.png"をアップロード。あまり小さくならず、deltaは満足していない。
8:23am IRC: A22とSurikoが、もっと気合い入れて作業するために3人目の開発者を採用することについて話し合う。
11:58am フォーラム: Surikoがお絵かきアプリについてのスレを立てる。
0:23pm IRC: Surikoがお絵かきアプリのインストールを完了。A22がどうしてこんなもんを入れやがったのかと尋ねる。
0:32pm フォーラム: Surikoがお絵かきアプリについての公開スレを立てる
2:32pm IRC: 私がログインし、どうして今更お絵かきアプリなんて入れたのかと聞く。
2:38pm IRC: 私がいない間に、[禁則事項]の最初のバージョンが完成した。かなりいいと思ったので、Surikoと軽くそれについて話をする。うちのftpを探し回っていたら、サーバーのログが見つかる。ログ上の数字が非現実的なほど大きい。午後中ずっとその解析をして、なんとか意味を見いだした。どうやらKSのウェブサイトは思っていたよりずっと負荷の高い状態にあったらしい。そしてゲーム自体も思ったよりはるかに多くダウンロードされていたようだ。
2:42pm shimmie: AuraがShimmieに画像1758をアップロード。私がフォーラムのPM(訳注:プライベートメッセージ)で二次創作の画像を受け取った。多分4chanのオリジナル画像スレからのものだ。中身は笑美とWorking!!のぽぷらのクロスオーバー絵。
3:09 pm フォーラム: 開発スレに[禁則事項]について書き込む。
3:10pm IRC: 3つの議論が同時進行する。A22はSurikoと開発者の新規受け入れについて話を続けている。私は[禁則事項の続き]について下準備をしないといけないことに気付き、SurikoとA22からのフィードバックを得つつ[禁則事項]について議論する。
4:18pm IRC: [禁則事項の続き]について、私の作業を終わらせようと必死になっている。ちょうどよくdeltaがログインしてきて、"ltrni.png"の圧縮について彼が思いついたアイディアを作り込み終わったら手伝うと言ってくれる。
4:20pm フォーラム: deltaが[禁則事項]についての私の書き込みにレスをつけ、お互いにフォーラムでいくらかやりとりをする。
4:42pm SVN: deltaによるKatawa Shoujo リビジョン 2105: deltaが"ltrni.png"の新しいバージョンをアップロードする。ファイルサイズは大幅に小さくなった。成功!
4:43pm IRC: deltaと私が[禁則事項の続き]について長々と議論する。多くのことについてブレインストーミングを行い、その後私が満足して書き始めるまでネタを拾い集めて圧縮していく。あと昨晩私が寝た後にdeltaが終わらせたL20のディレクションを確認し、気に入ったと彼に伝える。
5:37pm SVN: deltaによるKatawa Shoujo リビジョン 2106: deltaが新しい効果音ファイルと、スクリプト内の実装をアップロードする。weeeがこれを入れろとdeltaにせがんだのだが、deltaは気に入らなかったようだ。(リビジョンのコメントに>: |という顔文字が入っている)
5:43pm 公開IRC: Novelstreamが公開IRCでネタになり、VNの配布・各種VNエンジン・他の開発モデル・開発コミュニティ・クソの投げ合いに関するゆるくて長い議論が始まる。
6:04pm IRC: climaticがログイン。彼に琳ルートの新規CGの塗りについて尋ねる。具体的な話を簡単にしてから(ほとんどの場合、彼は自分のやりたいようにやってしまう。それでとてもうまくいっている。)彼は作業に入る。
7:38pm 公開IRC: さっきの議論がようやく終わる。
8:26pm IRC: このブログ記事のアイディアを話題に出し、積極的ではないがおおむね合意を得たので書き始める。
9:20pm SVN: SilentcookによるKatawa Shoujo リビジョン 2107: SCがシーンR18を書き終える。
10:45pm SVN: deltaによるKatawa Shoujo リビジョン 2108: deltaがリリールートのHシーンのディレクションの準備のため、CG素材(リビジョン2101でアップされたもの)の整理をし、スクリプトとコードファイルに仮のエントリを作る。
10:56pm shimmie: climaticがShimmieに画像1759をアップロード。私が頼んだCGを描かずに、おっぱいを描いていたようだ。
11:13pm IRC: [禁則事項]は仕上げ段階に入っていたので、各Actのタイトルカードの件も含めてdelta、climaticと話し合う。climaticがこの記事の下書きを読んで、面白いと言う。
11:14pm フォーラム: [禁則事項]の進捗について書き込み、Pimmyが挙げた問題についてのコメントを求める。
11:38pm IRC: 諸々についての簡潔な議論。たとえば琳のAct2、各Actのタイトルカード、手が冷たい件、もっとがんばって作業する件など。climaticが先だって着手したCGの途中経過を見せる。moekkiが作業中の笑美ルートのCGを見せる。CGには致命的なミスがあり、どうすれば上手く直せるか全員で考える。[禁則事項]の問題については、困ったことにPimmyがオフラインなので未解決のまま放置。この件は極力急ぎたいのだが。
8月2日 0:03am: 日付が変わったことに気付いたので、この1行を書いてブログに投稿する。

かたわ少女の24時間はご覧の通りだ。結構典型的な1日だと思う。この日は普段に比べると多少はアクティブな日だったけど。とはいえ、みんな活動していない日だったら、このブログ記事は超つまらない記事になっていただろう。日曜日だったので誰も仕事や学校がなかったし、deltaがディレクションを進めていたのでSVNもアクティブだった。(SVNのアクティビティは全体でも一番大きい)Surikoはあのお絵かきなんとかをインストールしたし、IRCも多少アクティブだった。公開IRCチャンネルは記録するに値しない、明らかに関係のない会話が多かった。誰かが作業をしたけどその話をしていなければ、それもここには表れていない。

-Aura